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新しい Outlook への移行を控えたい企業向けガイド - 設定と対策
新しい Outlook への移行を控えたい企業向けガイド - 設定と対策
投稿日:2025年06月03日
最終更新日:2025年06月03日
この記事でわかること

新しい Outlook への自動切り替えを防ぐための具体的な手順と、企業における移行時の懸念点

2024年8月、新しい Outlook が一般提供(GA)され、 Windows 11 23H2 以降がインストールされているデバイスには、この新しい Outlook が標準でプレインストールされるようになりました。
しかし、現状この新しい Outlook は、従来の Outlook (以後、「 Outlook (classic) 」) と比較して一部の機能が制限されていたり、アドインの互換性に問題があるなど、ビジネスシーンで求められる全ての要件を満たしていない場合があります。そのため、現時点での組織全体での切り替えは「時期尚早」と判断し、新しい Outlook への移行を一時的に見送る、あるいはユーザーによる安易な移行を制限したい、という企業様も多いのが実情ではないでしょうか。
本コラムでは、このような企業様向けに、ユーザーによる新しい Outlook への切り替えを一時的に抑制するための具体的な手順をご紹介します。


  • 移行に慎重になる理由

    新しい Outlook は、 Outlook on the web をベースとしたモダンなインターフェースを持ち、今後Microsoft が注力していく方向性を示しています。しかし、企業によっては以下のような懸念点があるため、すぐに切り替えを進めるのが難しい場合があります。
    • 既存機能の一部未対応COM アドインや SharePoint 連携など、一部の機能が新しい Outlook では利用できない、または挙動が異なる場合があります。
    • 操作性の違い従来の UI に慣れたユーザーにとって、新しい UI では一時的に生産性が低下する可能性があります。
    • 互換性の問題社内で利用している他アプリとの連携で不具合が生じる可能性があります。
    • 変更管理の必要性周知・トレーニング・サポート体制の構築など、段階的な対応が必要です。
    これらの理由から、社内で十分な検証・準備が整うまで、新しい Outlook への切り替えを一時的に停止したいというニーズがあります。
  • 設定手順

    Intune などの MDM が未導入の企業もあるかと思いますので、まずは簡単なところから制御する方法をご紹介していきます。
    Outlook の右上に表示されている「新しい Outlook を試す」のトグルボタンを非表示にする設定手順です。
    Outlook の右上に表示されている「新しい Outlook を試す」のトグルボタンを非表示にする設定手順です
    • Microsoft 365 Apps管理センター (https://config.office.com/) を開き、サインインします。


      サインイン可能な組み込みの Microsoft Entra ロールは、下記となります。
      < Microsoft Entra ロール>
      役割
      説明
      Office Apps 管理者 (推奨)
      このロールは、ポリシーと設定の管理を含む Office アプリのクラウド サービスを管理し、エンド ユーザーのデバイスに '新機能' 機能コンテンツを選択、選択解除、公開する機能を管理できます。
      セキュリティ管理者
      このロールは、セキュリティ情報とレポートを読み取り、Microsoft Entra ID および Office 365 の構成を管理できます。
      グローバル管理者
      このロールは、 Microsoft Entra ID と、 Microsoft Entra ID を使用する Microsoft サービスのすべての側面を管理できます。

      Microsoft 365 Apps管理センター を開き、サインインします

    • [カスタマイズ] – [ポリシー管理] – [作成] の順にクリックします。 [カスタマイズ] – [ポリシー管理] – [作成] の順にクリックします

    • 「基本情報」が表示されたら、必須項目の [名前] を入力し、[次] をクリックします。
      ここでは、[ Outlook (new) のトグル非表示] と入力しています。
      「基本情報」が表示されたら、必須項目の [名前] を入力し、[次] をクリックします。

    • 「範囲」が表示されたら、提示されているスコープを選択し、[次] をクリックします。
      ここでは、[このポリシー構成はすべてのユーザーに適用されます] を選択しています。 「範囲」が表示されたら、提示されているスコープを選択し、[次] をクリックします

    • 「ポリシー」が表示されたら、検索ボックスに「試してみる」と入力して検索を実行します。検索結果から、提示されている [Outlook に [新しい Outlook を試してみる] 切り替えスイッチを表示しない]を選択します。 「ポリシー」が表示されたら、検索ボックスに「試してみる」と入力して検索を実行します

    • 詳細な構成設定が表示されたら、[有効にする] を選択し、[適用] をクリックします。 詳細な構成設定が表示されたら、[有効にする] を選択し、[適用] をクリックします。

    • 「状態」 が [構成済み] となっていることを確認し、[次] をクリックします。 「状態」 が [構成済み] となっていることを確認し、[次] をクリックします。

    • [作成] をクリックします。 [作成] をクリックします。

    • [完了] をクリックし、ポリシーを公開します。 [完了] をクリックし、ポリシーを公開します。
      ※このポリシーについては、 Intune からも配布することができます。
      のポリシーについては、 Intune からも配布することができます。

  • PowerShell による新しい Outlook のアンインストール

    ここまでご紹介した設定だけでは、新しい Outlook がデバイスにインストールされたままの状態となっています。そこで、 PowerShellコマンドを使用して、新しい Outlook をデバイスからアンインストールするコマンドをご案内します。

    【コマンド】
    Remove-AppxProvisionedPackage -AllUsers -Online -PackageName (Get-AppxPackage Microsoft.OutlookForWindows).PackageFullName

このコマンドの配布は、 Intune を利用すると簡単に展開できます。
具体的なスクリプトについては、弊社営業または、下記フォームよりお問い合わせください。


解説は以上です。

パシフィックネットは、確かな技術力をもとに、お客様に合った最適な環境をご提案・構築いたします。
ご質問やご相談がございましたら、お気軽に当社までご相談ください。

執筆者:水口 博文


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投稿日:2025年06月03日
最終更新日:2025年06月03日

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