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使える! 情シス三段用語辞典54 「マイクロサービス」

常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。ジョーシスでは数々のIT用語を三段階で説明します。

一段目 ITの知識がある人向けの説明

二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明

三段目 小学生にもわかる説明

取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?


一段目 ITの知識がある人向け 「マイクロサービス」の意味

「マイクロサービス」とは、小規模で単機能サービスを組み合わせて、システムを構築する手法を指す。「決済」「在庫管理」「発注管理」といった業務系処理や、「天気」「地図」などの情報提供などで利用されている。

マイクロサービスは「SOA(サービス指向アーキテクチャ)」という考え方に基づいており、ネットワーク上にあるさまざまなサービスを組み合わせてアプリケーションなどを作ることができる。

最近では、シンプルな仕組みを持つ「REST API」というWebのプロトコル(情報交換手法)が使われるようになったことや、稼働させるのに最適なシステムであるクラウドサービスの普及が後押しとなり、さまざまなサービスが提供されるようになってきている。

二段目 ITが苦手な経営者向け

社長は、これまでコンピューターのシステムやソフトは、1つの大きなソフトウエアの集合体として作られていたことはご存知でしたか?

しかし、この方法では、今日のように変化が激しいビジネスの世界では、システムがすぐに古くなって、使えなくなってしまう恐れがあります。

そこで考えられたのが「マイクロサービス」という仕組みです。

これは「業務単位」や「機能単位」にシステムの機能を切り分けて、それぞれの機能間での情報のやり取りを、インターネットで使われている技術を使って行います。

マイクロサービスは、複雑になりがちだった大規模なシステムを、小規模な「サービス」の集合体にするわけです。こうすることで、その時々で必要なシステムを組み上げて、すぐに利用できるるようになります。また、変更もスムーズに行えます。つまり、小回りがきく、古くならない、変化に強いシステムを作れるのです。

具体的な例で話しましょう。米IBMでは開発したAI(人工知能)型コンピューター「Watson(ワトソン)」で、「音声認識」や「音声合成」、「画像認識」などの技術を「サービス」として別々に提供しています。

そのため、簡単なプログラムを書いてインターネット経由でデータのやり取りをすれば、ユーザーは、Watsonが持つ機能で必要なものを使って、最先端の技術を使ったサービスを提供することができます。

マイクロサービスは、こんなふうに使われているのです。

三段目 小学生向け

みなさんは、スーパーマーケットに行きますよね。

スーパーに行くと、たくさんの人が働いているのがわかると思います。たとえば、品物を並べる人、肉や魚を切ったりする人、レジでお客さんが買った品物の代金をもらう人。表からは見えませんが、スーパーに品物を運んでくる人などもいます。

そして、スーパーでは働く人を「しごと」という単位で分けています。だから、あるしごとを担当している人が、具合が悪くなってお休みしても、そのしごとを代わってやってくれる人がいれば、お店のしごとは止まることはないです。

スーパーのようにお店のしごとを細かくわけて、それぞれの人が、それぞれの「しごと」をする仕組みは、コンピューターの世界にもあります。

それは「マイクロサービス(小さなサービス)」といいます。

コンピューターの世界では、たとえば、インターネットにあるお店の場合、「品物を表示する」「お客さんが選んだ品物を買い物かごに入れる」「買った品物の代金を支払ってもらう」といった「しごと」で分けています。

今までは、これらのしごとのすべてを1つの大きなコンピューターの仕組みで行っていました。スーパーでたとえると品物を並べるのも肉や魚を切るのもレジで代金をもらうのもひとりの人がやるというイメージです。

しかし、これだと、仕組みが故障したりするとすべてのしごとが止まってしまいます。また、仕組みのどこかに間違いがあったときには、全体を作り直さなければいけないこともありました。

そこで、そうならないように「しごと」ごとに仕組みを作り、それぞれの仕組み同士が情報のやりとりをして動くようにしました。すると間違いがあっても、違っている部分だけを直せばよくなったのです。また、「しごと」同士をくっつけて新しい仕組みを作ることも簡単にできるようになりました。

これが「マイクロサービス」というものなのです。

 


この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2017年7月19日掲載

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