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Intune と Winget を使って Windows 10/11 アプリを簡単に配布する方法

投稿日:2024年4月18日

この記事でわかること

Intune と Winget を使用して Windows 10/11 デバイスにアプリを効率的に配布する方法

Intune を介した Windows 10/11 のアプリの配布にはさまざまなオプションがあります。
前回は、Intune を使った Windows 10/11 アプリ配布の基本をご紹介しました。
この手順では、サイレント インストール コマンドの事前確認や最新のアプリの準備といった”手間”が必要でした。
今回は、Intune と Winget を組み合わせることで、これらの手間を省きつつ、企業の Windows 10/11 デバイスにアプリを効率的に配布する方法を紹介します。


  • Winget とは

    Winget は、 Microsoft Store のような GUI ではなく、コマンドラインからアプリをインストールできるパッケージ マネージャーです。スクリプトや自動化ツールと組み合わせることで、大量のデバイスに対して一括でアプリケーションをインストールすることが可能です。
  • Intune のサブスクリプションオプション

    Microsoft Intune が含まれているサブスクリプションは、以下の通りです。

    ・ Microsoft 365 Business Premium サブスクリプション

    ・ Microsoft 365 F1または F3 サブスクリプション

    ・ Microsoft 365 Enterprise E3 または E5 サブスクリプション

    ・ Enterprise Mobility + Security E3または E5 サブスクリプション

    ・ Microsoft Intune サブスクリプション


    ※自社で導入している製品が不明な場合、弊社営業またはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

  • 権限に関する注意事項

    アプリケーションのインストールは、管理者権限で Winget を実行しているかによって異なる場合があります。

    ・ 管理者権限で Winget を実行している場合、UACは表示されません。

    ・ 管理者権限なしで Winget を実行している場合、アプリケーションによっては、インストールするために昇格が必要になることがあります。 インストーラーが実行されると、Windows は、昇格を求めるメッセージを表示します。 昇格しないことを選択すると、アプリケーションのインストールは失敗します。

  • 配布したいアプリが Winget に登録されているか確認する

    • コマンドプロンプトを起動し、確認したいアプリケーションのキーワードを入力します。ここでは、 Adobe Acrobat Reader を配布することを例にご説明します。
      winget search "adobe acrobat reader"

      コマンドプロンプトを起動し、確認したいアプリケーションのキーワードを入力します。
    • 検索結果が表示され、目的のアプリケーションが見つかったら、そのIDをメモします。
      ここでは、Adobe.Acrobat.Reader.64-bit を控えます。

      検索結果が表示され、目的のアプリケーションが見つかったら、そのIDをメモします。
  • アプリケーションをインストールするためのスクリプトを作成する

    • メモ帳などを開いて、以下のコマンドを記述します。ファイルの拡張子を bat に変更して保存します。ここでは、ファイル名を [winget-acrobatreader.bat] としています。
      Winget install --id Adobe.Acrobat.Reader.64-bit --accept-package-agreements --accept-source-agreements --silent
      ※--idには製品IDを記載します。
      ※--accept-package-agreementsは、使用許諾契約に同意し、プロンプトの表示を回避するために使用します。
      ※--accept-source-agreementsは、ソースの使用許諾契約に同意し、プロンプトの表示を回避するために使用します。
      ※--silent は、サイレント モードでインストーラーを実行します。

      アプリケーションをインストールするためのスクリプトを作成する
  • アプリケーションをアン インストールするためのスクリプトを作成する

    • ここでは、ファイル名を [winget-uninstall-acrobatreader.bat] としています。
        Winget uninstall --id Adobe.Acrobat.Reader.64-bit --silent

      アプリケーションをアン インストールするためのスクリプトを作成する
  • intunewin パッケージを作成する

    intunewin パッケージを作成するには、 Microsoft Win32 コンテンツ準備ツールが必要です。このツールの入手方法は、「Microsoft Intune を活用したゼロタッチでのアプリ配布術」に記載されていますのでご確認ください。
    • Cドライブ直下にintunewin フォルダーを作成し、その中に、Winget フォルダーを新たに作成します。
      その後、手順2および手順3で作成したバッチファイルを Winget フォルダーにコピーします。

    • 管理者権限でコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。
         C:\intunewin\IntuneWinAppUtil.exe

       管理者権限でコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。
      • “Please specify the source folder: “ と表示されたら、パッケージを作成するために必要なアプリや応答ファイル等がインストールされているフォルダーを指定します。ここでは、以下を指定します。
          C:¥intunewin\winget

        「Please specify the source folder:」表示されたら、パッケージを作成するために必要なアプリや応答ファイル等がインストールされているフォルダーを指定します。

      • “Please specify the setup file: “ と表示されたら、パッケージを作成するために必要なセットアップファイルを指定します。ここでは、以下を指定します。
           C:\intunewin\winget\winget-acrobatreader.bat

        「Please specify the setup file:」 と表示されたら、パッケージを作成するために必要なセットアップファイルを指定します。ここでは、以下を指定します。
      • “Please specify the output folder: “ と表示されたら、生成したパッケージを保存するフォルダーを指定します。ここでは、以下を指定します。
           C:\intunewin\winget

        「Please specify the output folder:」と表示されたら、生成したパッケージを保存するフォルダーを指定します。ここでは、以下を指定します。
      • Do you want to specify catalog folder (Y/N)?“ と表示されたら、インストールにカタログフォルダーが必要な場合はここで指定します。ここでは、N と入力します。

        Do you want to specify catalog folder (Y/N)?“ と表示されたら、インストールにカタログフォルダーが必要な場合はここで指定します。ここでは、N と入力します。
      • 生成が成功すると、... has been generated successfully と表示されます。

        生成が成功すると、... has been generated successfully と表示されます。
      • Output folder で指定したフォルダーに、拡張子が intunewin のファイルが保存されていることを確認してください。

        Output folder で指定したフォルダーに、拡張子が intunewin のファイルが保存されていることを確認してください。
  • Microsoft Intune に intunewin パッケージを登録する

    • Microsoft Intune 管理センターを開き、左ナビゲーションに表示されている [アプリ] をクリックします。

      Microsoft Intune 管理センターを開き、左ナビゲーションに表示されている [アプリ] をクリックします。
    • 概要ブレードの [プラットフォーム別] セクションの [Windows] をクリックします。

      概要ブレードの [プラットフォーム別] セクションの [Windows] をクリックします。
    • [追加] – [アプリの種類の選択] – [Windows アプリ (Win32)] の順にクリックします。

      [追加] – [アプリの種類の選択] – [Windows アプリ (Win32)] の順にクリックします。
    • [選択] をクリックします。

      8.4	[選択] をクリックします。
    • [アプリ パッケージ ファイルの選択] をクリックし、 Microsoft Win32 コンテンツ準備ツールで作成した intunewin パッケージを選択します。選択したら [OK] をクリックします。

      [アプリ パッケージ ファイルの選択] をクリックし、 Microsoft Win32 コンテンツ準備ツールで作成した intunewin パッケージを選択します。
      選択したら [OK] をクリックします。
    • アプリの [名前]、[説明] および [発行元] が入力必須項目となるので、入力し、[次へ] をクリックします。

      アプリの [名前]、[説明] および [発行元] が入力必須項目となるので、入力し、[次へ] をクリックします。
    • インストールとアンインストール コマンドを入力します。
      Wingetはユーザーにインストールするので、[インストールの処理] で [ユーザー] を選択します。
      ここでは、 Adobe Acrobat Reader の下記のコマンドを入力します。
      またデバイスの再起動についても変更します。設定したら、[次へ] をクリックします。
        ※アンインストール時の製品コードは言語やバージョンによって変更される場合があります。
        インストール:winget-acrobatreader.bat
        アンインストール:winget-uninstall-acrobatreader.bat
        インストールの処理:ユーザー
        デバイスの再起動:なにもしない

      ンストールとアンインストール コマンドを入力します。Wingetはユーザーにインストールするので、[インストールの処理] で [ユーザー] を選択します。
    • [オペレーティング システムのアーキテクチャ] および [最低限のオペレーションシステム] は、社内で利用している OS に合わせて設定します。
      ここでは、下記の設定を選択しています。選択したら、[次へ] をクリックします。
        オペレーティング システムのアーキテクチャ:64ビット
        最低限のオペレーションシステム: Windows 10 20H2

      [オペレーティング システムのアーキテクチャ] および [最低限のオペレーションシステム] は、社内で利用している OS に合わせて設定します。
    • 検出規則を設定します。
      これは、アプリがインストールされたかどうかを Intune が判断するために使用されます。
      ここでは、以下の通り設定します。設定したら、[OK] をクリックします。
        規則の形式:検出規則を手動で構成
        規則の種類:フォルダー
        パス:C:\Program Files\Adobe\Acrobat DC
        ファイルまたはフォルダー:Acrobat
        検出方法:ファイルまたはフォルダーが存在する

      検出規則を設定します。
これは、アプリがインストールされたかどうかを Intune が判断するために使用されます。
      ここでは、以下の通り設定します。設定したら、[OK] をクリックします。
    • 検出規則のページに戻るので、[次へ] をクリックします。

      検出規則のページに戻るので、[次へ] をクリックします。
    • 依存関係は設定せずに [次へ] をクリックします。

      依存関係は設定せずに [次へ] をクリックします。
    • 置き換えも設定せずに [次へ] をクリックします。

      置き換えも設定せずに [次へ] をクリックします。
    • 割り当てで [すべてのユーザーを追加] をクリックします。

      割り当てで [すべてのユーザーを追加] をクリックします。
    • 確認と作成が表示されたら、設定した内容を確認し、[作成] をクリックします。

      確認と作成が表示されたら、設定した内容を確認し、[作成] をクリックします。
    • アプリケーションのアップロードが完了したら配布可能となります。

今回は、展開済みの Windows デバイスに Intune からアプリケーションを配布する方法についてご紹介しました。
Windows Autopilot デプロイメントを実施している最中に Winget を介してアプリケーションを配布する場合には追加の工夫が必要となります。
ご興味のある方は、弊社営業担当またはお問い合わせフォームからご連絡ください。

執筆者:水口 博文


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