常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。ジョーシスでは数々のIT用語を三段階で説明します。
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
サーバー構築において、仮想化が一般的となった今日、ハードウェアもその状況に合わせた機器が登場している。これは、「コンバージド(垂直統合型)インフラストラクチャ」と呼ばれている。
垂直統合型の名の通り、サーバー、ストレージ、ネットワーク、仮想化ソフトウェア、管理ツールが1台に集約され、VDI(仮想デスクトップインフラ)などの仮想サーバー基盤環境などを容易に構築できるようになっている。一般的にコンバージドインフラストラクチャでは、ラック単位で構成され、サーバーとストレージはラック内で分離されていることが多いため、ハードウェウア構成の変更は難しく、スケーラビリティが高いとはいえない。
そこで、その課題を解決したのが「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ」になる。
ハイパー(超)の名の通り、ハードウェアが統合され、2U程度のきょう体にすべての構成要素が集約された機器になる。
1台のきょう体内に2~4ノード程度のそれぞれローカルストレージを持つ独立したサーバーが入っており、イーサネットで接続されている。
増設の際も容易で、新しいきょう体をイーサネットで接続し、管理ツールによる簡単な操作で、すぐにスケールアウトが可能だ。このように、スケーラビリティが非常に高いのがハイパーコンバージドインフラストラクチャの特長になっている。
社長は「仮想化」はご存知ですか? その仮想でデスクトップ用サーバーなどに使う仮想化基盤を構築する際に一番難しいといわれているのが、「どれぐらいの物理サーバーを用意すれば適切なのか」という点です。
これまでのサーバーでは、ハードウェアを「後から増設」するのは長時間の停止を必要となるなど、簡単ではなく、どうしても過剰なハードウエア投資になりがちでした。
ところが、今、「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ」というものが出てきて、簡単に既存の仮想化基盤にハードウエアを追加することができます。
極端な場合、電源とネットワークをつないで、管理画面でワンクリックするだけで済むのです。つまり、既存のシステムを停止することなくハードウエア強化ができるんですよ。このため、スモールスタートで、負荷に合わせてハードウェア増強するという、適切な投資が可能なんです。
また、負荷分散も、接続しているハードウエア同士で自動的に調整されるので、仮に1台が故障しても稼働している残りのハードウエアで仮想環境が動作します。そのため、バックアップシステムがなくても、システムダウンすることが少ないんです。そして、代替機が用意できて、接続すると自動的にシステムがコピーされるので、保守の負担も大幅に減らすことができるんです。
ハイパーコンバージドインフラストラクチャは、1台あたりのハードウエアのコストが高いのが難点ですが、保守・運用コストは非常に低減されるため、大きな企業のシステムやデータセンターの基盤として導入が進んでいるんですよ。
いま、コンピューターの中で別のコンピューターをたくさん動かすことができる「仮想化(かそうか)」という技術が広まっています。
大きな会社などでは、仕事に使うパソコンのソフトが、目の前のパソコンの中ではなく、「サーバー」とよばれる大きなコンピューターの中で動かしているという仕組みを使っているところも増えてきているのです。
この仮想化のシステムを動かすためによいと言われているのが、「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ」というコンピューターです。1台の大きさは机に置くタイプのパソコン4台分ぐらいです。これを何台も何台も簡単に増やすことができます。
そして、アニメに出てくるコピーロボットのように、ボタン1つで、コンピューターの内容がコピーできるのです。何百人、何千人という人が使うパソコンを、このコンピューターにまとめられるので、パソコンの管理はとても楽になります。
例えば、急に働く人が増えても、コンピューターを用意して、ボタン1つ押せば、先に働いている人のコンピューターと同じものがすぐに用意できるのです。そうなると、コンピューターを管理する人も仕事が楽になります。また、必要な時に必要な分だけコンピューターを使うこともできるようになるんですよ。
この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2016年11月21日掲載