新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、テレワークを導入する企業が増えています。テレワーク導入にはいくつかの課題がありますが、そのなかでも主なものとして挙げられるのが、在宅業務を行う社員向けに支給するパソコンの手配です。社員数が多い企業の場合、一気に数十台~百台近いパソコンを手配しなければならず、そのコストは相当なものになるでしょう。そこで、今回は法人向けパソコンを低コストで導入するための手段であるレンタルについて、おすすめの理由や導入の手順、使い勝手のよいパソコンを選択するポイントをお伝えします。
一般的に法人向けのパソコンを取得する方法といえばリースや購入であり、レンタルするといったイメージを持つ人は少ないのではないでしょうか。しかし、近年、リースや購入に比べさまざまなメリットがあるとして、レンタルが非常に注目されています。
レンタルはリースに近い契約方法ですが、両者は異なります。もっとも大きな違いは、リースが2年以上の中長期向けなのに対し、レンタルは1日から中長期まで契約期間を自由に選択でき、かつ途中解約が可能な点です。そのため、テレワーク以外にもさまざまなシーンで利用できるとして多くの企業が導入を進めています。
リースや購入よりもレンタルがおすすめの理由には何があるのでしょう。ここでは、法人用のパソコン導入でレンタルがおすすめの理由を説明します。
これまでは、法人がパソコンを導入するときは、長期利用を前提としていました。1台あたりの価格を考えれば、購入する場合はもちろん、リースであっても頻繁な買い換えは基本的には想定していませんでした。
しかしそれでは、「出張先でプレゼンテーションをする」「短期のアルバイト社員が使う」といった短期需要の対応は困難です。また、「社員研修で使う」「顧客向けのイベントで使う」など、短期で大量に台数を必要とする際も、購入やリースではコストがかかり、対応は難しいでしょう。
そうした際、レンタルであれば1日から利用できます。また、レンタル会社に在庫があれば、台数が多い場合でも対応可能です。そのため、短期間や急きょ、大量の台数が必要になった際はレンタルがおすすめなのです。
従来、レンタルには保守対応がついているため、長期間の利用の場合、リースに比べて料金が割高になる点がデメリットでした。しかし最近は、レンタル会社によっては短期から長期までさまざまな料金プランが用意されているため、長期でもレンタルがおすすめできるといえます。
リースや購入の場合、パソコンが故障したり、定期的なメンテナンスを行ったりする際のコストはすべて企業側の負担です。また、故障してしまえば当然、修理をする期間はパソコンが使えず、業務に遅れが生じるリスクも発生します。
一方で、レンタルの場合は、基本的に故障時の修理やメンテナンスはすべてレンタル会社側の負担で行われます。そのため、企業側が余計な負担を強いられることはありません。また故障時には、修理ではなく別のパソコンと交換といった対応も受けられるため、業務に遅れが生じるリスクも回避できます。
企業では、支払いが発生するものすべてにおいて経理処理が必要です。そのため、パソコンをレンタル、リース、購入した場合にも経理処理が発生します。ただし、レンタルはリースや購入に比べ、経理処理の負担はそれほど大きくはありません。レンタルの場合は、費用をすべて経費で処理できるからです。
リースや購入の場合、リース料金もしくは購入代金を経費だけではなく、減価償却費として損金経理する必要があります。そのため、経理担当者の負担が増えます。レンタルの場合は全額経費での処理が可能なため、経理処理が簡素化できるのです。経理担当者の負担を軽減できる点も、レンタルをおすすめする理由のひとつです。
では、実際にパソコンをレンタルする際には、どういった手順が必要なのでしょう。ここでは、「契約前」「契約中」「契約後」に分け、レンタル時の利用の手順を紹介します。
レンタル会社にもよりますが、電話やメールで、あるいはWebサイトから、「希望の期間」「利用台数」「利用目的」「希望する機器の仕様」などを伝えます。
レンタル会社は依頼者の希望をもとに見積書を作成・発行します。
見積書の内容に問題がなければ契約を結び、レンタル会社はパソコンを発送します。
パソコンが届いたら利用開始です。レンタル料金は毎月送付される請求書に応じて指定の口座に振り込みます。
パソコンの不具合や故障の際は、レンタル会社に連絡をし、代替品と交換をします。破損を起こした際でも補償が適用されるため、基本的に企業側に負担はかかりません。
契約期間が終了したら、パソコンが発送された際に同梱されていた返却用伝票を貼付し発送します。多くのレンタル会社では、利用時のデータを完全消去するため、企業側で消去作業をする必要はありません。多くの場合、有償で「データ消去証明書」の発行を受けられます。また、事前に連絡をすれば契約期間の延長も可能です。
レンタルでパソコンを選択する際には、どういった点に気をつければよいのでしょう。ここでは、次のような観点からレンタルパソコンを選択する際のポイントを紹介します。
例えば、セミナーやプロジェクターのある環境でのプレゼンテーションで使用する場合なら、ノートパソコンのなかでもできるだけ小さくて軽い機種がよいでしょう。
テレワークや、短期で使用する場合は、事務的な作業が中心であればノートパソコンでも問題ありません。ただし、画面は15型以上の大きいサイズのほうが、表作成やデータ入力を行う際に便利です。画像や動画編集といった業務を行う場合は、より大きな画面のほうが作業がしやすいため、ノートパソコンよりもデスクトップ型で大画面のモニターがある機種をおすすめします。
動画編集用パソコンの選び方に関しては、「レンタルでの活用も?動画編集用パソコンの選び方と必要スペック」でも詳しく紹介しています。
パソコンの頭脳であるCPUは、できるだけ高性能のものを選択したほうが業務スピードが上がり、生産性も高まります。一般的なCPU メーカーといえば、インテルもしくはAMDですが、インテル製であれば、最低でもCore i3、AMD製であればRyzen 3が必要でしょう。標準的なものを選択するなら、Core i5、Ryzen 5がおすすめです。画像や動画を扱う、プログラミングを行うなど高度な作業を行う場合は、Core i7、Ryzen 7があれば快適な作業が可能でしょう。
事務作業が中心であれば、4~8GB、画像や動画を扱う、プログラミングを行う場合は、8~16GBは必要です。
アプリケーションがクラウド中心であれば、それほど大容量のストレージは必要ありません。250GB程度でも十分でしょう。アプリケーションがローカル中心であれば、500GB以上はあったほうが快適な作業が行えます。また、ノートパソコンであれば、HDDよりもSSDのほうが起動も速く動作も快適です。
なお、シーン別の選び方については、「【法人向け】パソコンレンタルとは?メリットやシーン別の選定ポイントも紹介」もご参照ください。
従来、パソコンレンタルは、短期利用は低コストで利用できるが、中長期になるとリースに比べ割高になってしまうことがデメリットといわれてきました。しかし最近では、レンタル会社によっては中長期でもさまざまな料金プランが出ているため、一概にリースのほうがお得ともいえなくなっています。また、レンタルではほとんどの場合、デバイスが個別設定やソフトウェアや指定のアプリのインストールなどを行った上で納入される他、故障時の対応や代替機の用意を含めた使用中のサポート、返却時のデータ消去等も含まれているので、購入やリースと比較し、デバイス管理者の業務負荷が大幅に軽減され、人件費等の見えないコストを含めたトータルでの費用が抑えられます。
以上のことから、レンタルは低コストかつ、短期から中長期までさまざまな用途で利用が可能で、企業の業務効率化、生産性向上に大きく貢献します。パソコン導入を検討の際は、レンタルを選択肢に入れることをおすすめします。
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