投稿日：2023年3月15日

SharePoint Online と OneDrive for Business の違いを知っていますか？
どちらもクラウドストレージの要素を持っているため、「どう使うのが正解なのかわからない」という声をよく耳にします。
本コラムでは、これから Microsoft 365 を導入する企業や、「とりあえず使っているが、よくわからない」という方に向けて、 SharePoint Online (以下 SharePoint )と OneDrive for Business (以下 OneDrive )の違い・使い分けについてご紹介します。

■ SharePointとは

SharePoint は、ストレージとしてファイルを保存・共有するだけでなく、記事の投稿、外部サイトへのリンク掲示など、様々な機能が標準搭載されているサービスです。
SharePoint のサービスの中で “サイト” と呼ばれる単位の領域を区切り、サイト内でコミュニケーションを行います。
SharePoint としてのストレージ量は、“組織共有で1TB＋α”です。
＋αの部分は、テナント内で SharePoint が有効なライセンス数×10GBが流動的に付与されるため、組織規模によって総ストレージ量は異なります。

▽ストレージ量は SharePoint 管理センターの [アクティブなサイト] ページの右上に表示されています。
例： この環境では5ライセンスが有効なため、1.05TBが使用可能です。

■ OneDrive とは

OneDrive は、ユーザー個人に向けたクラウドストレージを提供するサービスです。 SharePoint の“組織共有で1TB＋α” とは異なり、 OneDrive は”1ユーザーで1TB” の領域が付与されています。
OneDrive 上のファイルを他のユーザーに共有できるのは、管理者を除くと OneDrive のオーナー＝ユーザーです。
以前は OneDrive の管理センターが独立して存在していましたが、現在では SharePoint 管理センターに統合されています。

■ 2つのサービスの違い

①「組織で利用するか」「組織内の個人として利用するか」 前項までに挙げた通り、2つのサービスは「組織で利用するか」「組織内の個人として利用するか」という違いがあります。

よくあるファイルサーバーの例：
・ SharePoint はファイルサーバー内の部署フォルダ
・ OneDrive はファイルサーバー内の個人フォルダ
このように考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。

②URL
例えば、初期ドメインが”pcnet.onmicrosoft.com”の場合、
SharePoint サイト等のURLは、”https://pcnet.sharepoint.com/”となり、初期ドメインの値が入ります。

一方、 OneDrive のURLには”-my.sharepoint.com” “personal” 等の値と、ユーザーのUPNの”.”と”@”を”_”に置き換えた値が含まれます。 例えばUPNが “pcn.tarou@prins.co.jp” の場合は、 “pcn_tarou_prins_co_jp” という値が入ります。

■ SharePoint と OneDrive どう使い分ける？

導入したばかりの担当者が悩みやすいのが、「どう使い分ければいいのか？」ということです。
これはズバリ「複数人で使うか」「個人で使うか」という点が使い分けるポイントです。
※「このように使わなければいけない」という決まりや規則・正解はありません。あくまで一般的によくあるケースとしてのご紹介となります。

SharePoint は複数人が共同作業を行うことを主としており、 “組織の管理者が維持管理” を行います。部署やプロジェクトメンバー間での共有は、 OneDrive よりも SharePoint の活用がおすすめです。ストレージが組織共有の総量であることからも、複数人で共有することが前提の情報のやり取りやファイルの保存等に向いています。

▽ SharePoint の参考イメージ

一方、 OneDrive は”個人が維持管理”を行います。
自分だけが持っていればよい、または特定の人に限定的に共有すればよいファイルは OneDrive での保存・運用に向いています。

▽ OneDrive の参考イメージ

OneDrive には、 Windows 10 以降のマシンのデスクトップ領域等を同期しておく機能もあります。端末故障時のリスクヘッジや移行簡素化に大いに役立つ機能ですので、ぜひ活用してみてください。

パシフィックネットでは、Microsoft 365 の運用や設定・制御、活用促進や新たに利用を開始する機能の初期設定支援等を承っております。
お心当たりのある方は、お気軽に当社までご相談ください。

執筆者：戸谷 明日香