常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。ジョーシスでは数々のIT用語を三段階で説明します。
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
International Organization for Standardization の略。日本語では「国際標準化機構」と訳される。スイスのジュネーブに本部があり150か国以上が参加する非営利法人組織。ビジネスに関するさまざまな標準を制定、規格化を進めており、同組織が出版した国際規格を「ISO」と呼ぶ。各国で1機関だけが参加できる。日本からはJIS(日本工業規格)の審議をするJISC(日本工業標準調査会)が加盟している。
昔は、製品を作るときに各国がそれぞれ自分の国の中で通用する「標準規格」を決めていました。ところが、製品が海を越えて販売され、世界で流通するようになってきてから、国ごとに標準の規格がバラバラだと不都合が多く生じるようになったのです。
また、国際市場においてスムーズに取引が行われるためには、「相互理解」「互換性」「消費者利益」の確保が重要で、これらが保証されないと取引上大きな障害となるということも分かってきました。
このような背景のもとで、国際的に規格を標準化しようという活動が始まり、「国際標準化機構」が成立したのです。ここで定められたのが「ISO」という国際規格です。
ISOの前身は1928年に設立された「ISA(万国規格統一協会)」という組織で、大戦後の1947年にスイスで正式に発足しました。ISOへの加盟は1国1機関とされ、日本からは1952年、JIS(日本工業規格)の審議をするJISC(日本工業標準調査会)が加盟しました。それ以来、日本は積極的に国際標準化の活動に参加しています。そして1986年から2年間は、故・山下勇氏、その後2005年には田中正躬氏と、日本人が2人もISO会長に就任しています。
現在は150か国以上が参加し、「物資及びサービスの国際交易を容易にし、知的、科学的、技術的及び経済活動分野における国際間の協力を助長するために世界的に規格の審議、制定の促進を図ること」を掲げて、電気技術分野を除いたほとんどの産業分野(鉱工業、農業、医薬品など)に関する国際規格の制定と、その利用促進について取り組んでいます。
「我が社は今のところ海外展開を考えていないから関係ない」とお考えかも知れませんが、そんなことはありません。国際規格がそのまま国内規格になりつつある時代です。ISOを取得すれば、国内の大切な取引先、また新しい取引先からも高い信頼を得られるはずです。
みんなが世話をしている学校のウサギだけど、どうもみんなでうまく協力して飼えていないように見えます。そこで、みんなでちゃんとウサギの面倒を見るため「誰がいつウサギにエサをあげるか」のルールを決めましょう!
「誰がいつウサギにエサをあげるか」をルールとしてみんなで決めて、先生に出してください。先生が確認します。確認してOKだったら「ウサギISO」という証明書を出してあげます。その代わり、ちゃんとルール通りやってるかチェックしますよ!
よいルールができて、うまくみんなが協力してウサギを飼うことができるようになったら、そのルールをお隣の小学校にも教えてあげましょう。そして、できたら市内の小学校全部にもルールを教えて、みんなでそのルールを使えるように話し合い、改良したりして「市内小学校ウサギISO」を作れたらいいですね。
そうすると、みなさんが卒業した後も、新しいウサギ係は「市内小学校ウサギISO」で決めた手順に従ってお世話をすればいいのです。
また「市内小学校ウサギISO」を取り入れた小学校全部で話し合いをして、まとめてエサを買ったり、みんなで詳しい人にお話を聞く会を開いたりできるようになれば、エサ代が安くなったり、もっとよいルールに直すこともできるでしょう。そんな話し合いをしているうちに、学校の枠を越えてウサギ好きな仲良しができるかもしれませんね。
こうしてみんなでルールを決めていくうちに、どうすればもっとウサギを大切に飼ってあげられるか、わかってくるはずです。思いつきでやるのではなくて、「手順をルールにして決めて、それを守ること」。これが大切なんです。
そして、お父さんやお母さんの会社でも、高い品質でモノづくりやサービスを行えるように決めた仕事のルールを、国際的に「仕事の手順標準ルール」として認めてもらえる仕組みがあります。これを「ISO認証」というんですよ。
この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2016年6月28日掲載