新しい「 Windows Autopilot デバイスの準備」を活用し、Windows 11 を展開する具体的な手順と、よくある問題の回避策
2024年5月22日、Microsoft より、新しい Windows Autopilot device preparation (以下 Windows Autopilot デバイスの準備) がリリースされました。“ Windows Autopilot デバイスの準備”は、再構築されたアーキテクチャーが採用され、より多くのデバイスに対応し、より効率的な管理が可能になります。
デバイスの準備
まず、展開するデバイスを準備します。従来は、Windows を起動して 4K ハードウェア ハッシュ を取得し、その値を Intune に登録する必要がありました。しかし、新しい “ Windows Autopilot デバイスの準備”では、この手順が不要になりました。
デバイスを起動し Entra ID が承認されると、自動的にプロファイルが適用され、設定が開始されます。
必要なソフトウェア要件と対応エディション
ソフトウェア要件:
● Windows 11 version 24H2
● Windows 11 version 23H2 (KB5035942 (22631.3374) 以降)
● Windows 11 version 22H2 (KB5035942 (22621.3374) 以降)
エディション要件:
Windows 11 Pro
Windows 11 Pro Education
Windows 11 Pro for Workstations
Windows 11 Enterprise
Windows 11 Education
設定手順
デバイスの起動
“ Windows Autopilot デバイスの準備”のプロファイルを適用するデバイスを起動します。この例では、ソフトウェア要件を満たしている Windows 11 Pro 23H2 Sep を使用します。
地域の選択
「地域の選択」画面が表示されます。従来の Windows Autopilot Deployment では、設定を変更することで非表示となる項目でしたが、ここでは変更せずに [はい] をクリックします。
キーボードレイアウトの選択
「キーボードレイアウトの選択」画面が表示されます。従来の Windows Autopilot Deployment では、設定を変更することで非表示となる項目でしたが、ここでは変更せずに [はい] をクリックします。
キーボードレイアウトの追加確認
「2つ目のキーボードレイアウトを追加するか」の確認画面が表示されます。従来の Windows Autopilot Deployment では、設定を変更することで非表示となる項目でしたが、ここでは変更せずに[スキップ] をクリックします。
ライセンス契約の確認
「ライセンス契約に同意する」画面が表示されます。従来の Windows Autopilot Deployment では、設定を変更することで非表示となる項目でしたが、ここでは[同意] をクリックします。
デバイスの命名
「デバイスに名前を付ける」画面が表示されます。従来の Windows Autopilot Deployment では、設定を変更することで指定したルールで命名できる項目でしたが、ここでは[今はスキップ] をクリックします。
デバイス設定の選択
「このデバイスをどのように設定するか」を確認する画面が表示されます。従来の Windows Autopilot Deployment では、設定を変更することで非表示となる項目でしたが、ここでは[職場または学校用に設定する] を選択し、 [次へ] をクリックします。
サインイン‐メールアドレスの入力
「サインイン」画面が表示されます。“ Windows Autopilot デバイスの準備”のプロファイルを適用するユーザーのアドレスを入力し、[次へ] をクリックします。
従来の Windows Autopilot Deployment では、事前に Autopilot デバイスとして Windows デバイスが登録されていたため、自社のロゴやサポート情報が表示されていました。しかし、“ Windows Autopilot デバイスの準備” では、この時点ではデバイスがどのテナントに属しているか判断されないため、自社に関する情報は表示されません。
サインイン‐パスワードの入力
「パスワード」を入力し、[サインイン] をクリックします。
インストールの進行状況
「進行状況を示すパーセンテージとスピナー」が表示されます。従来の Windows Autopilot Deployment では、登録状態ページ ( ESP ) が表示されていました。
アプリケーションがインストールされない場合 Q. アプリケーションが “ Windows Autopilot デバイスの準備” 実行中にインストールされず、レポートに [スキップ済み] と表示される。
A. 確認するポイントが2つあります。
1.“ Windows Autopilot デバイスの準備” のポリシーで指定したデバイスグループ、または「すべてのデバイス」 が割り当て対象に含まれているか確認します。
2.インストールの処理がシステムを選択しているか確認します。
以下のマトリクスは、各選択時の挙動を表しています。
「〇」は“ Windows Autopilot デバイスの準備” 実行中にインストールができることを示し、「×」はスキップされたことを表しています。
11個以上のアプリケーションをインストールする方法 Q. “ Windows Autopilot デバイスの準備” 実行中に11個以上のアプリケーションをインストールしたい。
A. 仕様により11個以上のアプリケーションを登録することはできませんが、「 intunewin パッケージ」を作成し、複数のアプリケーションを1つにまとめて登録することは可能です。ただし、現状 “ Windows Autopilot デバイスの準備” には事前プロビジョニングが実装されていないため、利用者がデバイスを使用開始するまでの待ち時間が長くなる可能性があります。
個人所有デバイスの誤登録を防ぐことは可能か Q. 会社からの貸与デバイスにのみ、Windows Autopilot Deployment を実施して Intune および Entra ID に参加させています。“ Windows Autopilot デバイスの準備” は、従来通り個人所有のデバイスが誤って登録するのを防ぐことは可能ですか?
A. “ Windows Autopilot デバイスの準備” においても、個人用デバイスの誤登録を防ぐことが可能です。詳しくは弊社営業または下記フォームよりお問い合わせください。
※ Windows Autopilot デプロイ中に、エラーコード「80180014」が発生した場合は、一般的に「デバイスが個人用デバイスとして認識され、組織のポリシーにより登録が許可されていない」ことを示します。