リースとレンタルの違いとは?会計基準から見てみよう

企業がパソコンを調達したい時、資産として購入するほかにレンタルとリースも多く活用されています。一般的に、イベントや社内研修など短期間で使用する場合はレンタル、長期利用する場合はリースと使い分けられてきましたが、近年では長期利用でもパソコンをレンタルする企業が増えてきました。リースとレンタルの違いや特徴を会計基準から見てみましょう。

希望する機械や設備を長期的に借りるリース

まず、リースとはどのようなものなのでしょうか。リース(lease)は賃貸借を意味し、「リース会社が、企業が希望する機械や設備を長期的に賃貸する」ことを指します。カーリースなど一般消費者向けのサービスもありますが、リースの多くは法人向けです。

対象となる物は、日本でリースが「企業に機械や設備を長期間賃貸すること」と定義されるように、OA機器やパソコン、工場の産業機器などが挙げられます。不動産や建物付属設備といった特定が困難な物、消耗品は対象外となります。

月額はレンタルよりもリースのほうが手ごろに抑えられますが、リースは契約期間が長いため、使用期間が長くなれば高額になります。

契約期間は一般的に最低半年から10年前後で設定されます。もし、リースしたパソコンを中途解約したい場合は契約リース料の全額を支払う必要があります。また、リース期間満了後も同じパソコンの使用を希望する場合は新たに再リース料が発生します。新製品を導入する場合はリース会社に返却し、新しい製品のリース契約を結びます。

用途に合ったスペックのパソコンや最新技術を取り入れたパソコンを調達できる点はリースのメリットですが、パソコンの保守・修繕義務が利用者にあるため、IT管理者の作業負担増やメンテナンスなどの維持費がかかる点や、中途解約できないためにパソコンを最新のものにアップデートできない点は要注意です。

リースの種類‐ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引

ここまで、リースの大枠の概要や実際の流れ、メリットとデメリットを簡単に説明してきました。ここからは、日本のリース基準についてさらに掘り下げてみましょう。

日本では、リースは2008年以降2018年まで、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の2形態に大きく分けられてきました。リース取引の多様化により、実質的な売買とみられる取引が増えたことが背景です。

ファイナンス・リース

まず、リース期間が耐用年数の75%以上で、かつリース料総額の現在価値が見積現金購入価格の90%以上であるリース取引は、ファイナンス・リース取引として区分されてきました。現在価値とは、リース満了期間まで借り続けた場合の、毎月の支払を利率で割り戻して集計した額のことです。

ファイナンス・リース取引を分かりやすく説明すると、ローンを組んで物を買う形です。リース契約期間中に中途解約できないことや、資産の保守・修繕義務が利用者にあり、故障などリース物件の使用に伴って生じる費用を借り手が支払うことなどが特徴です。会計処理は原則、オンバランス処理(資産計上)となります。

パソコンをリースする場合はファイナンス・リース取引となりますので、例外なく修理代を企業側が支払う必要があります。

ファイナンス・リース取引はさらに細分化され、契約期間終了後に所有権が借り手(企業)に移転すると認められたものを所有権移転ファイナンス・リース取引、それ以外は、所有権移転外ファイナンス・リース取引とされます。

オペレーティング・リース

次に、ファイナンス・リース取引以外のものはオペレーティング・リース取引となります。内容は賃貸とほぼ同じで、契約期間に応じた料金を払い、契約が満了になったらリース企業にリース資産を返却しなければいけません。

利用者が所有権を持たないため、資産が故障した際はリース会社が修繕費を負担します。また、支払ったリース料は全額賃貸料とみなされ、オフバランス処理(資産計上しない処理)とすることができます。

オペレーティング・リース取引は例えば3年といった短期間にも対応が可能なうえ、途中解約もできるため、柔軟な契約ができる点がメリットです。

オンバランス処理とオフバランス処理

ところで、オンバランス処理とオフバランス処理はそれぞれ、資産計上する処理と、しないものであることは上述した通りですが、もう一度簡単に整理していきましょう。

オンバランスとは企業会計において、賃貸対照表に計上される、事業運営に活用されている資産や負債を指します。

賃貸対照表はバランスシート(B/S)とも言い、決算日など、ある時点での財政状態を示す書類のことです。財務諸表、つまり決算書の一つで、資産と負債の純資産の状況から企業の資金調達や資金運用を把握することができます。

オフバランスは簿外取引ともいい、賃貸対照表に数字が出ないことに由来します。現在、企業の負債保証行為や一部のリース取引がこれに含まれます。

オフバランス化することにより、ROA(総資産利益率)も向上し、企業価値を高めることができます。また、固定資産の管理業務を軽減でき、並行して固定資産税を軽減できることもメリットとなります。

新たなリース形式「IFRS16」ではレンタルもリースに区分?!

さて、リース取引は大きく、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に大別されることを、ここまで説明してきました。

一方、2019年1月以降に始まる事業年度から、IFRS(国際会計基準)を任意適用している企業に対し、新しいリース基準「IFRS16号」が強制的に適用されるようになりました。

IFRS16号が、従来のリース基準と大きく変わった点として、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の区分がなくなり、すべてがオンバランス処理(つまり、ファイナンス・リース取引の会計処理)となったことが挙げられます。

IFRS16号は定義を、「資産(原資産)を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか、またはリースを含んでいる」としています。つまり、お金を払って物を使用する権利を得ている取引は、すべてリースということになります。

「お金を払って物を使用する権利を得ている取引」とは下記のとおりです。

● リース契約(オペレーティング・リース、ファイナンス・リース)

● レンタル契約(IT機器、オフィス什器など)

● 不動産賃貸契約(オフィス、店舗・事務所、工場、社宅など)

ここで注目したいのは、レンタル契約です。後ほど、レンタルがどのような取引であるのかを説明していきますが、レンタルは日本会計基準でオフバランス処理とされています。しかし、IFRS16号を適用するとオンバランス処理となるのです。

レンタルは一つの例ですが、IFRS16号ではリースの範囲が広がります。つまり、オンバランス処理の対象となる資産と負債が増えることになります。このため、ROA(総資産利益率)の低下が想定され、注意が必要です。

IFRS16号が日本のリース基準と大きく異なる点はほかに、期間の考え方もあります。従来の基準では、契約期間=リース期間でしたが、IFRS16号では実際に利用する期間がリース期間となります。

そのため、例に、複合機そのもののリース契約期間が3年でも、企業がリース契約をする時点で延長込みの6年を見積もる場合、6年分の費用がオンバランスとして計上されます。

ここまで、IFRS16号はすべてオンバランスとなることを説明しましたが、例外として、短期リース取引や原資産(例えば、株式や債券など)が少額なリース取引はオフバランス処理が認められます。

短期リース取引は開始日において、リース期間が12か月以内を指します。短期リースとして11か月過ぎた時点で、1年延長することが決定した場合は適用外となります。

金額については、明確な基準はないものの、IASB(国際会計基準審議会)は目安として5000米ドル(約55万円)以下としています。これは、少額リースの規定の適用対象としてタブレットやパソコン、小型のオフィス家具や電話を想定しているためです。なお、5000米ドル(約55万円以下)との基準は個別の資産ごとに判断され、適用対象となるリースの合計は問われません。

IFRS(国際会計基準)とはそもそも、International Financial Reporting Standardsの略で、IASB(国際会計基準審議会)が制定した国際財務報告基準/国際会計基準です。現在、110以上の国と地域で採用されています。

2005年にはEU(欧州連合)域内の上場企業に適用が義務化され、2006年以降は他国での企業でも同様に強制適用されるようになりました。2010年3月以降は、日本でも適用が可能となりました。2021年6月現在、IFRS(国際会計基準)を適用済みの日本企業は226社。

修繕・保全などサービスが柔軟なレンタル

ここまで、リースの会計基準ついて説明してきましたが、ここからはレンタルのメリットについて触れていきます。

レンタルというと1泊から数百円で好きなDVDを借りられるレンタルDVDなどを思い浮かべる人もいるかもしれません。

私たちの生活にも身近なレンタル(rental)は、「レンタル業者が機械・設備・器具備品などを購入し、利用者(借り手)に一定期間賃貸し、期間中、利用者が資産を占有・使用する契約のこと」を言います。リースと同様、賃貸借を意味しますが、リースが長期的な設備調達方法であるのに対し、レンタルは比較的短期の使用を目的とする契約形態を指します。

短期利用を目的とするレンタルですが、冒頭でも触れたように最近では1年以上の長期の場合でもレンタルを利用する企業が増えてきました。

その理由の一つはサービスの柔軟性です。利用期間は1日から数年まで自由に設定できます。在庫状況や配送の手配ができれば、問い合わせから最短即日あるいは数日内でスピーディーに納品することも可能です。

リース取引ではできなかった途中解約もできます。その際は期間を再計算し、料金の再設定を行います。もちろん期限の延長も自由です。契約の途中で契約台数を増やしたり、解約してより高機能な機種に変えたりすることもできます。

さらに、先ほども説明したように、リースとの違いとしてレンタルは保守・修繕サービスも充実しています。IT管理者など情報システム部門の作業負担を削減するだけでなく、メンテナンス費用などを節約できる点も魅力です。

また、パソコン調達をレンタルでオフバランス処理にできる点もメリットと言えるでしょう。レンタルではパソコンの導入月の初期コストを抑えつつ、経費処理で毎月の費用を利用期間に合わせて平準化することで利益改善を図ることができます。リースとは異なり、固定資産ではないので減価償却も発生しません。

レンタルは対象商品が中古の場合があること、任意に選べないことがデメリットとなりますが、パシフィックネットではメーカーの幅を広く、最新の機種も揃えています。また、長期レンタルの場合、在庫からの貸し出しだけでなく、リースのように顧客からメーカー、台数の指定を受ける場合も多々あります。

柔軟な対応もパシフィックネットの強みです。1日1台から、即日納品が可能なほか、1か月に10台ずつなど五月雨式に納品することもできます。期間は最長5年まで契約が可能です。

パソコンを購入すれば制限なく自由に利用できる

企業でパソコンを購入して資産にする場合もあります。購入したパソコンは、制限なく自由に利用できるメリットがありますが、長期間使用することによる老朽化や、新たなOSが出た際のバージョンアップなど、作業負担と費用が多くかかってしまう点がデメリットとなります。

さらに、固定資産税が加算されることもあり、トータル費用がリースやレンタルに比較して多くなってしまう可能性もあります。

それぞれのメリットや特徴を生かし、最適な調達方法を

パソコンを導入する際の方法として、機種を自由に選べるリース、保守・修繕サービスがついており、途中解約可能など柔軟性の高いレンタル、期間の制限なく使える資産パソコンの例を紹介しました。企業の需要や用途にあわせて、最適な調達方法を選んでみてください。



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