常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。ジョーシスでは数々のIT用語を三段階で説明します。
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
ブロックチェーンは、仮想通貨「ビットコイン」の基礎技術として作られた技術で、ビットコインのトランザクション(取引)が正しく行われるための電子台帳に使われる技術を指す。
ブロックチェーンの最大の特徴は、P2P(ピア・ツー・ピア)の分散型の台帳となっている点。従来、このような取引に使われる台帳システムは、特定の場所に置かれたサーバーに保存されていた。
しかし、ブロックチェーンの台帳は分散して保存され、整合性が保証される仕組みとなっている。そのため、集中管理が不要となり、従来よりも安全で、安いコストでの取引処理ができると考えられている。
もともとはビットコインの技術から始まったブロックチェーンだが、金融だけではなく「取引台帳」の技術として、さまざまな商取引やサービスでの取引に応用できると期待されている。
社長は、あらゆる取引には、その確証を残すものとして、取引台帳が必要なことはご存知ですよね?
その取引台帳も古くは大福帳のような書き付けでしたが、今ではコンピューターを使ってデジタル化され、金融機関をはじめ、たくさんの取引情報がやり取りされています。
そのコンピューターの取引で最近注目されている技術が「ブロックチェーン」です。
社長のために仕組みを説明しましょう。ブロックチェーンでは、取引の記録に対して「ブロック」と呼ばれる記録の塊を作ります。ブロックには、取引の記録に加えて、1つ前に生成されたブロックの内容を示す「ハッシュ」と呼ばれる値の情報なども格納します。そして、ブロックは時系列に沿ってつながっていく形になります。
これが「ブロックチェーン」と呼ばれる理由です。そして、もしブロック内の情報を改ざんしようとした場合、変更したブロックから算出されるハッシュ値が以前と異なることになり、改ざんしたことがすぐに分かるのです。
このように、ブロックチェーンは改ざんに対して優れた技術です。この仕組みを使うと、従来の取引台帳システムに比べて、安全性を担保しながら、安全で安価、とてもシンプルに一連の取引を記録する取引台帳システムを作ることができるのです。
みなさんは「ブロックチェーン」ということばを聞いたことがありますか?
これは、ものごとのやり取りの記録をすべて保存して、その記録をたくさんのコンピューターが分けて保存する仕組みをいいます。
では、ブロックチェーンはどこが便利なのでしょうか?
たとえば、ものごとを忘れっぽい友だちにゲームソフトを貸したのだけれど、返ってこなくて、困ったなんてことがあったとします。
その場合には、ソフトを貸す時に、貸してあげる友達に加えて、そのほかの友達何人かに一緒にいてもらいます。そして、その場でノートに「いつ、●●というゲームソフトを貸した」ということを書いて、書いた内容の証人になってもらうのです。
こうすれば、後で「貸した」「借りてない」というケンカにならなくてすみます。この場合、「何人か」というところがとても大切です。もし証人の誰かが忘れたりしても、代わりの人がいるので、証拠が残るからです。
ブロックチェーンも同じように、誰かと誰かが何かをやり取りしたという情報を記録して、それをあちこちのコンピューターに保存します。
そして、この時、1つ前にやり取りした情報から計算して出した値を組み合わせることで、前の情報と新しい情報がつながっているという証拠を保存しています。こうすることで、誰かが情報を書き換えるいたずらをしても、書き換えたことがわかるのです。
ブロックチェーンの技術を使うと、やり取りを記録するためにかかるお金が今までよりもより安くなると考えられています。そして、今、いろいろなところで使うための研究が進められているのです。だから、もしかすると、みなさんが大人になる頃には、ブロックチェーンが当たり前のように使われているかもしれませんね。
この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2017年7月3日掲載