Windows 10のキッティング 代表的な4つの方法とは?手法の選び方や注意点を紹介

手法の選び方や注意点を紹介

新しいパソコンの買い替え後や、テレワーク導入により新たにパソコンを調達する際は、キッティングが必要です。通常のキッティングは「クローニング」という手法で行いますが、Windows 10ではほかにもいくつかの手法の利用が可能です。条件次第で手法を使い分けると、よりスムーズに作業を進められます。

Windows 10のキッティングに利用できる手法と、それぞれの違いを説明します。

Windows 10のキッティングとは

Windows 10のキッティングには、通常のキッティングに加えて、Windows 10独自の手法も用意されています。

一般的なキッティングとは

キッティングとは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのIT機器を、すぐに業務で使える状態までセットアップする作業のことです。

従来、キッティングは主に情報システム部門やユーザーが行ってきました。しかし最近は専門業者に依頼することも多くなっています。新人社員の採用等の人員増やイベント、地方支社から社員を本社に集めて研修を行う際など、大量のパソコンをキッティングする機会が増えてきたからです。

一般的なキッティングには、次のような手法があります。

● 1台ずつ手作業

● クローニング

キッティングについては、「キッティングは情報システム部門の仕事?効率と正確さならアウトソーシング」もご参照ください。

Windows 10のキッティング手法

Windows 10のキッティングには、4つの代表的な手法があります。クローニング以外の手法は、現在のところWindows 10にのみ使われています。

● クローニング

● プロビジョニング

● ベアメタルビルド

● Windows Autopilot

また、次のような手法も使えます。

● 1台ずつ手作業

● クローニングツールによるクローニング

Windows 10のキッティング手法

手法ごとに、概要とメリット・デメリットを説明します。

クローニング

Windows 10以外でも、一般的に用いられる手法です。あらかじめマスターPC(マスターイメージ)を作成し、必要な台数だけコピーしたあとで個別設定を行います。

メリット

大量のマシンを一気にキッティングできる

作業の品質をそろえることができる

複雑な環境でも構築が可能になる

アプリケーションの種類を選ばない

デメリット

マスターPCの作成と検証には、時間と技術が必要になる

マスターPCはハードウェア構成が同じパソコンにしか使えない

Windowsのボリュームライセンスが必要になる

どのような場合に向いている?

一度に50台以上の大量のパソコンをキッティングするような場合に向いています。

プロビジョニング

Windows ADK を利用したキッティング手法です。あらかじめPPKG(プロビジョニングパッケージ)を用意しておき、必要なマシンに割り当てることで、短時間でキッティングを行います。

PPKGには、OSの設定やアプリケーションのインストール設定などが含まれています。PPKG はUSBやSDカードなどに作成できるので、キッティング対象のパソコンがネットワークに接続していなくても作業ができます。

PPKGは、Windows ADKに含まれるWindows構成デザイナーというツールで作成します。Windows ADK は、Microsoft社のWebサイトから無料でダウンロードが可能です。

メリット

Windows ADK以外のツールは不要でコストを抑えられる

PPKGは比較的容易に作成できる

サーバーやネットワークに接続不要で、どこでも作業ができる

デメリット

複雑な環境の構築はできない

自社で構築した業務システムのような、サイレントインストール(利用者の操作を必要としない方式)に対応していないアプリケーションはインストールできない

作業は1台ずつ行うので時間がかかり、大量のキッティングには向いていない

どのような場合に向いている?

少量のキッティングを低コストで行いたい場合に向いています。Microsoft社では、PPKGでの作業は数百台までが適切とされています。

ベアメタルビルド

Windowsの「バックアップと復元」でも使われる方法で、Windowsの必要な環境を自動的に構築する方法です。マスターPCのようなイメージキャプチャも必要ありません。自動化できる範囲はWindowsのインストール、設定、アプリケーションのインストールなどで、個別設定以外の部分を自動化できます。

メリット

機種が異なっても利用できる

短時間で作業ができる

複雑な構築が可能になる

デメリット

作業が複雑になる

Windowsのボリュームライセンスが必要になる

どのような場合に向いている?

複数の機種を大量にキッティングする場合に向いています。

Windows Autopilot

Windows AutopilotはMicrosoft社が提供する機能のひとつで、クラウドベースで大量のパソコンに一気にWindows 10を展開できる方法です。ユーザー企業ごとの端末設定も自動で展開できます。

ただし、次のいずれかのサービスのユーザーでなくてはなりません。

● Azure AD(Microsoft Azure Active Directory)

● Microsoft Intune

● Microsoft Store for Business

● Microsoft 365 Business

Windows Autopilotはこれらのサービスの管理ツールと連携してセットアップを行うためです。

情報システム部門であらかじめWindows Autopilotプロファイルを作成しておけば、パソコン側での作業はユーザーが行えます。管理ツールとの連携を利用すれば、Windows 10への移行、各種設定の適用、Microsoft Office 365や業務アプリケーションの自動インストールなども可能です。

メリット

インターネットに接続していればどこでもキッティングができる

複雑な構築が可能になる

ユーザー自身で作業できるので、テレワークでも導入できる

デメリット

Windows Autopilot機能単体で完結せずにほかのサービスと連携が必要なのでわかりにくい

インターネットに接続していなければ使えない方法である

必要なサービスを利用するためのコストがかかる

どのような場合に向いている?

Microsoftのクラウドサービスを利用している企業に向いています。大量のキッティングも可能です。

手作業によるキッティング

1台ずつパソコンの起動からOSやアプリケーションのインストール、個別設定などを手作業で行う方法です。しかし、数台ならともかく、企業である程度の台数をキッティングするときには非現実的な方法でしょう。

メリット

すぐに作業を始められる

機種や設定の変更に対応しやすい

作業がわかりやすい

デメリット

1台ずつ作業するので時間がかかる

品質にばらつきがでる

クローニングツールによるクローニング

「Symantec Ghost(シマンテック ゴースト)」「DriveCopy(ドライブコピー)」など、簡単にクローニングを行うためのソフトウェアが市販されています。ただし、個別設定はMicrosoftのSysprepのようなツールを使って別に行わなければなりません。

メリット

作業が容易になる

デメリット

ソフトウェアのコストがかかる

作業は1台ずつ行うので時間がかかる

企業によって向いているキッティング手法は違う

企業のキッティングでは主に、クローニング、プロビジョニング、ベアメタルビルド、Windows Autopilotの4つの手法が使われます。どの手法にもメリットとデメリットがあり、どの手法が自社に合うのかを見極めて手順を考えるのは、一般的に情報システム部門の業務です。複数の手法を組み合わせて使うこともできます。

選定ポイントになるのは、次のような条件です。

● 端末の数

● 機種の数

● アプリケーションの多さ

● 個別設定の多さ

● 情報システム部門の作業量

● キッティングにかけられる予算

キッティングの対象となるパソコンが多い、さまざまな機種が使用されているなど、情報システム部門だけでは作業が大変になる場合は、キッティングの専門業者に相談することをおすすめします。パソコン台数や種類をもとに、手法の選び方や組み合わせ方から相談が可能です。

Windows 10のキッティングの注意点

キッティングを行う際は、次のようなことに注意が必要です。

日本語の情報は少ない

日本語の情報が豊富なのは、4つの方法のうちクローニングだけです。十分な情報を得るためには、ある程度の英語力が必要になります。

ライセンスはキッティングする台数分必要

Windows 10のライセンスはキッティングする台数分が必要です。OEM版(プレインストールされているもの)は、一括して行うキッティングには使えません。

大量にキッティングを行う場合、通常は台数分のボリュームライセンスを購入します。プロダクトアクティべーションも不要になるので便利です。ただし、ボリュームライセンスにはドライバーやアプリケーションが含まれないので、それぞれダウンロードしてインストールする必要があります。

Windowsだけでなく、アンチウイルスソフトや管理ツール、Officeなども同様です。アプリケーションのインストールまでキッティングで行うと、ユニークIDまでコピーされる場合もあるので、あとで個別設定を行う必要があります。あらかじめベンダーに相談し、ボリュームライセンスを用意するなどの対策を行いましょう。

Windows 10のキッティングは自社に合う手法を選ぶのがカギ

Windows 10のキッティングにはいくつかの手法がありますが、どの手法にもメリットとデメリットがあり、どこの企業にでも合うような万能な手法はありません。条件を比較し、自社にはどの手法が最適なのかを選ぶのが情報システム部門の仕事です。

自社での作業は負担が大きい、またはどの手法を選んでいいのかわからないという場合は、アウトソーシングをおすすめします。作業の負担を減らせるだけでなく、最適な手法を選ぶカウンセリングからサポートを依頼できます。

パシフィックネットのキッティング

パシフィックネットのキッティングサービスは、クローニング、プロビジョニング、ベアメタルビルド、Windows Autopilotのすべてに対応し、もっともお客様に合った手法を提案します。また、次のようなメリットもあります。

キッティングの内容はご要望に合わせてカスタマイズ可能

キッティングの内容は、お客様のご要望に合わせてアプリケーションを組み合わせ、フルカスタマイズが可能です。お客様が購入したパソコンで作業するだけでなく、当社のレンタルサービスと組み合わせ、ご要望の仕様に合ったレンタルパソコンも用意できます。ご希望のメーカー、機種を選ぶことも可能です。

作業場所を選べる

キッティング作業の場所はお客様のご要望で選択可能です。当社のテクニカルセンターで作業すれば、大量のキッティングでもスピーディーに行うことができます。ご要望に合わせて、オンサイト(お客様のオフィス)での作業も可能です。

高いセキュリティを確保

当社のテクニカルセンターはISO 27001を取得済みです。また、マルチ防犯カメラを設置、厳格な入退室管理を行い、高い安全性を確保した場所で作業を行います。

予備機のお預かりや配送にも対応

予備のパソコンを当社テクニカルセンターで保管しておくことも可能です。新規出店や増員などお客様の必要に応じて、指定の内容でキッティングを行い、指定された拠点や店舗へ配送します。この場合、情報システム部門の担当者は出勤することなく、パソコンの管理・運用が可能です。

料金・メニューについては、ご希望の内容により変動します。詳細については、お気軽にご相談ください。

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