常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。ジョーシスでは数々のIT用語を三段階で説明します。
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
「ベアメタルクラウド」とは、データセンター(DC)に設置してある「物理サーバー」をクラウドと同様に使うことができるサービスを指す。
「ベアメタル」とは、OS(基本ソフト)やソフトウエアなどがインストールされていないHDD(ハードディスク)を搭載する物理サーバーをいう。
一般にクラウドサービスでは仮想化を使って、低コストや拡張性を確保している。これは利点になる一方、処理などの性能面で物理サーバーに劣る部分があるのが課題となっていた。
そこで、物理サーバーをクラウドサービスと同じような形で使えるようにして解決を図ったのが「ベアメタルクラウド」だ。
ベアメタルクラウドは、物理サーバーのパフォーマンスとクラウドの手軽さ、メンテナンス負荷の軽減を享受できるのが特長。クラウド環境と親和性が高いサービスが多く、オンプレミス(物理サーバー)とクラウドを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」環境を構築しやすいメリットもある。
仮想環境を使わないという点で、オンプレミスで構築したシステムの交換手段としても適していると考えられており、2016~2017年にかけて大手クラウドサービス会社が続々とサービス開始を発表した。
社長は最近、クラウドサービスで注目されている「ベアメタルクラウド」はもうご存知ですか? え、知らない? それでは詳しく解説しましょう。
「ベアメタル」の元々の意味は「むき出しの金属」、加工前の金属素材や、塗装前の金属機械のことをいいます。ITの世界では、これが転じて「OS(基本ソフト)もインストールされていないサーバー」の意味で使われています。このベアメタル(サーバー)をデータセンター(DC)に置いて、クラウドサービスと同じ感覚で使えるようにしたのが「ベアメタルクラウド」です。
実は、サーバーをDCに設置して使う方法は、「ホスティングサービス」や「ハウジングサービス」と呼ばれて昔からありました。ベアメタルクラウドが、こうしたサービスと異なるのは、サーバーを自社で所有してDCに設置するのが不要になるという点です。
ベアメタルクラウドでは、サービス提供会社がサーバーを用意します。そのため、サーバーを購入して自社資産に組み込む必要がなくなります。だから、利用者は「外部サービス」として使えるわけです。サービスは契約すれば当日中に使い始められるものも多く、月単位の契約で利用できます。
クラウドサービスでは、データの分析など負荷が大きい処理を行う場合には、その分だけ利用コストが上がっていきます。しかし、ベアメタルクラウドは月額定額制のサービスも多く、いくら使ってもコストが変わらないというメリットもあるのです。
今、世の中には、1台のコンピューターを、2台、3台と複数のコンピューターのように使う「仮想化(かそうか)」という方法を使って、インターネットを通して使うことができる「クラウドサーバー」というサービスがあります。このサービスでは、高いコンピューターを安く使えます。これがよい点です。
でも、よくない点もあります。実はクラウドサーバーではコンピューターを「仮想化」するためのソフトが必要で、コンピューターでそのソフトを別に動かさなければいけません。すると、コンピューターは、そのソフトを動かすのに余分な力を取られてしまうのです。
そのため、普通の仕事に使うときは、大丈夫なのですが、とてもたくさんのデータを扱ったりするような仕事で使うときには対応できなくなります。
この問題を解決するために考えられたのが「ベアメタルクラウド」というサービスです。
ベアメタルクラウドは1台のコンピューターを、そのままインターネット経由で使えるようにしています。だから、仮想化のソフトもいりません。コンピューター本来の力を発揮することができるのです。
さらに、毎月決まったお金で利用できるサービスが多いので、クラウドサーバーと同じように安く使えます。新しいサービスとして注目されているんですよ。
この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2017年4月12日掲載