パソコンを選ぶときに悩むことが多いのが「スペック」です。とくに、法人用のパソコンを選ぶときには、どの程度のスペックが必要なのかをよく検討する必要があります。法人で利用するパソコンでも、用途によってまったく選定ポイントが異なるからです。ここでは、法人向け(ビジネス用)のパソコンで重視すべきスペックについて説明します。
スペック(spec)とはspecificationの略で、「仕様」という意味です。内部や外形に関する情報、たとえば、次のような内容はすべて「スペック」と呼ばれます。
スペックという言葉はパソコン本体だけでなく、プリンターやキーボードなどの周辺機器、ソフトウェアの仕様についても使われます。
パソコンの導入前、機種を選定するときには、使いたい用途に合わせた性能があるかどうかを確認するために、スペックを確認します。
導入するパソコンが、すべての面で高性能なパソコンである必要はありません。利用目的に合わせて、必要なスペックを満たすものを選べばいいのです。
どの機種がどのようなスペックを持っているかは、カタログや公式サイトなどで確認できます。
・Windows 10の場合
Windowsのメニューから、「設定」→「システム」→「バージョン情報」の順にクリックします。バージョンによっては、「バージョン情報」の次に「システム情報」をクリックします。
すると、「デバイスの仕様」と「Windowsの仕様」に分かれて、パソコンのスペックが表示されます。
・Macの場合
画面左上に出てくるメニューバーで、Appleアイコンのリンゴマークをクリックします。すると、「このMacについて」でパソコンのスペックが表示されます。
法人向け(ビジネス用)パソコンをスペックに注目して選定するポイントは、用途を明確にすることです。
1. どの部署でどのように使われるのか、用途を明確にします。
2. 用途が決まれば、必要な機能やアプリケーションが決まります。
3. 必要な機能やアプリケーションによって必要なスペックが決まります。
4. 必要なスペックを満たしている機種のなかで、コストパフォーマンスの良いもの、必要な台数が揃うものを選びます。
企業で利用するパソコンで重視するところは、スペックだけではありません。選定するときには、次のような点も確認する必要があります。
スペックを重視して用途別にパソコンを選ぶときは、以下の項目で次のようなことに注目します。
ここに挙げるのは一般的な項目ですが、必要な機能に応じて必要なスペックは変わります。
Central Processing Unit の略で、日本語では中央処理装置、中央演算処理装置ともいいます。
コンピュータにおけるメインの情報処理装置です。コンピュータの頭脳といわれ、CPUの速度は全体の処理速度に大きく影響します。
インテル製とAMD製があります。AMD製はコストパフォーマンスが良いですが、ビジネス向けならインテル製「Core i」シリーズを選ぶユーザーが多いでしょう。 速度に関係するのは、型式、コア数、クロック数などです。型式が新しいほど速く、コア数が多いほど速く、クロック数が多いほど速くなります。 ただし、全体の処理速度を上げるには、CPUだけにこだわるよりもメモリを増やすほうが効果的でしょう。
Memory、メインメモリ、主記憶装置などともいいます。
パソコンの作業領域で、データやプログラムを一時的に記憶する部品です。作業机に例えられます。メモリの容量が大きいほど全体の処理速度が速くなり、安定動作が可能です。メモリが足りない場合はHDDやSSDの一部がメモリとして利用されますが、速度は大きく低下します。
スペックの「実装メモリ(RAM)」で表記されている数値がメモリ容量です。複数のアプリケーションを同時に扱ったり、画像や動画を扱ったりするなら、大きなメモリが必要になります。
メモリ容量は、現在は8GBが主流です。16GBあれば、Microsoft WordやExcelなどの重くなりがちなアプリケーションを複数起動していても動きやすくなります。画像やプログラミングなどを、編集するなら16GB~32GB程度のメモリが必要でしょう。
ノートパソコンの場合、あとからメモリを追加するのは難しいことも多いので、最初に多めのメモリを用意しておきたいものです。ただしコストが上がるので、予算と相談する必要があります。
ストレージ、二次記憶装置、補助記憶装置などともいいます。
記憶媒体として、システム、アプリケーション、データなどを保存する部分です。HDDとSSDがありますが、HDDはSSDよりも安くて大容量だが遅い、SSDは速いが多少高価で、容量は少なめという傾向があります。最近はSSDの価格が下がっており、SSD搭載のパソコンも多いです。
マイコンピュータのローカルディスク(Cドライブ)と表記されている部分で容量を確認できます。一定量はファイルシステムなどに使われるので、容量のすべてを使えるわけではありません。外付けのストレージがあれば、Dドライブ以降のアルファベットも追加されます。 最近はクラウドサービスの利用が進み、ローカルディスクにデータを保存することも少なくなっているので、一般的なユーザーなら256GB程度で十分です。画像や動画を扱うなら、より多いほうがいいでしょう。
ビデオカード、グラフィックカードともいいます。
画面の出力や、画像・動画の処理を行う部品です。CPUやマザーボードに組み込まれているもの(オンボードグラフィック)もあれば、グラフィックボードという部品のかたちであとから追加するものもあります。グラフィックボードの性能は、画像描画の速度や画像の美しさを決めるものです。
通常の使い方なら、オンボードグラフィックで十分でしょう。画像や動画を扱う場合には、外部グラフィックスボードを追加すると、画像処理が格段に楽になります。 グラフィックボードの中心となる部品をGPU(Graphics Processing Unit)といいます。グラフィックボードのメーカーは何種類かありますが、GPUはNVIDIA社の「NVIDIA GeForce」とAMD社の「AMD Radeon」の2つに分かれます。ゲームならGeForceを利用したグラフィックボード、マルチメディア処理を行うならRadeonを利用したものが有利ですが、好みでかまいません。
パソコンやディスプレイのサイズです。重量も重要なポイントです。
携帯性を重視するか、操作性を重視するかで選び方は変わります。ノートパソコンなら、全体のサイズは携帯性やディスプレイのサイズにもかかわるので重要なポイントです。
オフィスに置きっぱなしなら、より大きなディスプレイの機種を選ぶと快適に使用できます。解像度はFHD(フルHD 1,920×1,080)以上がおすすめです。解像度が高ければ1つのドットが細かくなり、よりなめらかな画像になるうえ、1画面に表示できる量が多くなります。画像処理を行うなら、より大きめの画面が便利でしょう。
ノートパソコンの場合は、コストとの兼ね合いから、HD(1280×720)のマシンを選ぶユーザーも多いでしょう。最近はテレワークの増加で、持ち運びやすいサイズと重量1.0〜1.5kgくらいのノートパソコンが人気です。
オペレーティングシステム、Operating System、基本ソフトなどともいいます。OSを選ぶことで、ハードウェアも自然に決まってきます。
ハードウェアとアプリケーションの中間にあり、パソコンのリソースや、インターフェイスを管理します。また、アプリケーションの動作のベースとなります。
ビジネス向けなら管理系の機能が充実しているWindows 10 Proを選ぶことがほとんどです。画像や動画を扱うなら、macOSを選ぶ場合もあります。
用途によっては、次のような部分も選定のポイントになります。
光学ドライブとは、CD、DVD、BDなどを読み書きできるドライブのことです。光ディスクドライブを内蔵すると厚みや重さが増すため、モバイル用ノートパソコンには搭載されていないことが多いでしょう。別売りで外付けも可能です。
無線LAN接続(Wi-Fi)、有線LAN接続は、ほとんどのノートパソコンに搭載されています。さらにモバイル用ノートパソコンには、LTE(4G回線)が搭載されているものもあります。
一般的には、外出先での通信はスマートフォンやモバイルルーターと接続することが多いので、無線LAN接続(Wi-Fi)と有線LAN接続があればいいでしょう。
USBポートは、一般的なノートパソコンなら2個から3個ついています。ただしType-A やType-C などが混在しています。
また、特定の外部ディスプレイを使いたいなら、適合する接続端子のある機種を選定する必要があります。
導入パソコンを選定するときには、スペックの確認が重要です。ひと口にビジネス用のノートパソコンといっても、部署によって使用目的は異なるでしょう。例えば、数字を扱う経理部門と画像を扱う部門では、必要なスペックが異なるため、調達するパソコンも異なります。
希望するスペックのパソコンを一度に多数揃えるのが大変な場合は、パソコンレンタルの利用がおすすめです。パソコンレンタルなら、必要なスペックのマシンを必要なだけ利用し、全体の費用を抑えることもできるでしょう。
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