常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。ジョーシスでは数々のIT用語を三段階で説明します。
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
ウイルス対策ソフトがウイルスを検知する手法の一種。実行中のプログラムの動き、ふるまいを観察し、怪しい動作をしているかどうかをチェックすることでウイルスかどうかを判定する。未知のウイルスや、検出が困難な高度なウイルスに対して有効な検知法である。ふるまいを観察する際に、実際の環境でプログラムを実行するパターンと仮想環境上で実行するパターンとがある。
コンピューターウイルスの手口は年々向上しており、以前に比べると、ウイルスかどうかの判定が難しくなってきました。
また、ウイルス対策ソフトは「これがウイルスの一覧です」といったような指名手配リストのようなものを持っており、その手配リストの中に載っているプログラムをウイルスとして見なして取り締まるというのが基本的な仕組みです。そのため、新しいタイプのウイルスでは手配リストに載っていない場合があり、見逃してしまう可能性があります。
しかし、疑わしいプログラムをすべて停止すれば、実はウイルスではないプログラムまで巻き添えとなり停止してしまい、ユーザーの利便性を損なう結果になりかねません。だからといって放置すれば、ウイルスに攻撃されることになり、これもユーザーが不利益をこうむります。
そんな時に有効なのが「ふるまい検知法」です。
ふるまい検知法は、おとり捜査のようなものです。怪しいプログラムを実際に動かして、その動作を観察し、ウイルスとみなすべき挙動をした時点で取り締まります。そのため、手配リストに載っていない新しいウイルスでも、また、動きが巧妙で犯罪をしているのか、分からない犯人に対しても有効な手段となります。
あなたの学校で、いじめを計画している人がいるといううわさが流れました。実際にいじめられた人はまだ出ていないようですが、いじめを計画している人を見つけないと被害者が出てしまうかも知れません。そんな時、きみならどうやって犯人を捕まえますか?
ここで怪しそうな人を片っ端から先生の前に報告しても、実際の被害はまだ出ていないので、先生としても対処のしようがないでしょう。それどころかクラスの雰囲気が悪くなり、関係のないお友達とまで仲が悪くなってしまう可能性もありますよね。
では、いじめを計画している人を捜すためにはどうしたらよいでしょうか?
一番よいのは、怪しそうな人の行動をよく観察し、その行動を一定期間見守る中で、本当にいじめを計画しているかどうかを見極めて、先生に報告することです。
これはインターネットの世界でも使われている方法で、「ふるまい検知法」といいます。
パソコンに悪いことをするコンピューターウイルスは、ウイルスじゃないように見せるのがどんどんうまくなってきているので、パッと見ただけではウイルスかどうかが判断できない場合があります。また、新しいタイプのコンピューターウイルスはウイルス対策ソフトがウイルスかどうかの判定ができないこともあります。
そんな時に役立つのが「ふるまい検知法」なのです。ふるまい検知法ではウイルスを見つけるために、ウイルスかも知れないプログラムの振る舞い・動きを観察し、やっつけるべきかどうかを判断するのです。
この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2016年6月14日掲載