常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。ジョーシスでは数々のIT用語を三段階で説明します。
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
「CB」は「Current Branch」、「CBB」は「Current Branch for Business」の略で、それぞれ「Windows10」の更新プログラム、アップグレードに関するサービスのオプションのことを指す。
Windows10は、機能強化やセキュリティ対策を目的として、年に2~3回程度アップデートがリリースされる。CBは主に個人用で、リリースされるとすぐにアップデートが自動で行われる。
しかし、企業ユーザーは、移行テストを行う期間が必要になる。そのため、マイクロソフト(MS)では、CBのリリースから最長で4か月の間、ユーザーへのアップグレード展開を遅らせることができるCBBを用意している。
CBBは「Windows10 PRO」「Education」「Enterprise」のエディションが対応。「HOME」エディションは対象外になる。また、最新のアップグレード2世代前までしかサポートの対象にならないため、速やかにテストを行い、アップグレード済ませておく必要がある。
基幹システムや組込みシステムなどのように、頻繁にOSのアップグレードを行うことが難しいシステム向けには、システム管理者が手動で更新することが可能で、リリース後に最長で10年間のサポートが受けられる「LTSB(Long-Term Servicing Branch)」がある。
社長、「Windows10」は、マイクロソフト(MS)がデスクトップPC用として「最後のバージョン」と呼んでいるOS(基本ソフト)なんです。
その背景には同社が今までのように「XP」→「Vista」→「7」→「8」といった明確なバージョンアップを行うのを止めて、継続的にOSのバージョンアップを行っていく形に方針を変えたことがあります。
MSでは今後、Windows10の修正・改良を、少しずつ行って、新たなセキュリティ脅威の対策や新機能の対応を続けていきます。
それを実現するのが「CB」と「CBB」なのです。
Windows10は「Windows Update(ウィンドウズ アップデート)」という機能で更新を自動で行うようになっています。このサービスは「CB」と呼ばれ、PCがインターネットに接続されていれば、新しい更新プログラムがリリースされると自動でインストールされるようになっています。
一方で、企業が社内などで運用するシステムでは、新機能による仕様変更で動作に不具合を起こすアプリケーションなどが存在します。
そこでMSでは、このような企業ユーザー用に、CBのリリースから最長4か月の間、更新を遅らせる「CBB」という仕組みを用意しています。この4か月間は、企業の情報システム部門などがアップグレードによる新機能をテストするための「猶予期間」とされているのです。
このようにWindows10では、最新の機能やセキュリティ対策とシステムの安定をバランス良く維持するために、過去のWidowsで得た教訓をもとに作られているのです。
パソコンやタブレットなどは、新しい機能が次々と開発されて、年々便利になっていきますよね。
ただ、みなさんが、その新しい機能を使うためには「OS(おー・えす)」と呼ばれる「基本ソフトウエア」を新しくしていく必要があるのです。
一方で、パソコンなどからデータを盗み取ったり、データを破壊しようとしたりする悪いことを考える人が、どんどん新しい技術を使って、パソコンに攻撃をしてきています。
そこで、パソコン用の最新基本ソフトウエア「Windows10(うんどうずてん)」は、そうした攻撃などを防ぐために、自動でどんどん新しい対策をするように作られています。この自動的に新しくする仕組みを「CB(しーびー)」といいます。
この仕組みは、Windows10の前のWindowsで、使っている人が新しく対策をしなかったために、弱点を狙われることがよく起きたため作られました。
CBは攻撃などからパソコンを守るために大切な機能です。ただ、この仕組みを利用すると会社のパソコンでWindows10を使って動かしている仕事専用のソフトウエアが動かなくなってしまう可能性があるのです。
そのために、Windows10を売っているマイクロソフトという会社は、会社のパソコンのWindows10を新しくする前にテスト用のパソコンで正しく動くかを確認してから、新しい機能を使えるようにしました。
これを「CBB(しーびーびー)」といいます。CBBは4か月の間、Windowsを最新にすることを遅らせることができます。そこで、その間に会社でパソコンの面倒を見る係の人は、正しく動くかを確認するのです。
この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2017年2月20日掲載