常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。ジョーシスでは数々のIT用語を三段階で説明します。
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
SDN(エス・ディー・エヌ)は「Software-Defined Networking(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)」の略。ソフトウエアでネットワークの構造や構成、設定などの変更ができる仕組みを指す。
SDNではソフトウエアで論理的に定義する。ネットワークの物理構成に左右されず、柔軟で動的にネットワーク構成を変更することができるため、ネットワークの効率的な利用や管理が行える。
SDNを実現する技術標準では「OpenFlow(オープンフロー)」がある。OpenFlowは、独通信会社のドイツテレコム、フェイスブック、グーグル、マイクロソフト、米携帯電話大手のベライゾンなどが中心となったNPO「Open Networking Foundation」が標準化を進めている。最近ではOpenFlowに対応するネットワーク機器も増えている。
社長はネットワークの仕組みがどうなっているのか、ご存知ですか? え、知らない!?
従来のネットワークの仕組みでは、発信元から目的地まで、どういう経路でデータを送るのか、どういうルールで送るのかなどを、ネットワーク機器1台1台に設定する必要がありました。そのため、機器の構成や設定を自由に変えることは難しかったのです。
例えば、社長の会社で社内のフロアレイアウトを変更することになり、それに伴ってネットワーク機器の構成を変える場合は、機器設定や接続に手間がかかっていたのです。また、ネットワークの混雑具合をみて経路を変えることは困難でした。
そこで登場してきたのが「SDN(エス・ディー・エヌ:ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)」です。
これは、ソフトウエアでネットワークの設定や制御が行える技術になります。SDNを使うと、ネットワーク構成の変更やネットワーク混雑時に経路の変更などが、ソフトの書き換えだけで済むのです。また、セキュリティソフトと組み合わせて、マルウェアに感染したPCをネットワークから即座に切り離すこともできます。従来のネットワーク機器ではできなかったことがSDNでは可能になるのです。
みなさんがふだんスマートフォン(スマホ)などで使って友達に送っているメールやLINEは、メッセージを「ネットワーク」という道路を使って送っています。そして、ネットワークを利用するための機械は、相手に届くための道を調べて送るようにしています。
ネットワークは網の目のようにつながっています。だから、どのような道筋をたどってもメッセージを相手に届けることができます。そして、ネットワークの機械は一番短い道筋を選ぶようにしています。
ただ、一番短い道以外を知らないので、たくさんのメッセージや写真などの大きなデータを送る時でも一番短い道を選んでしまいます。そうすると、ネットワークの機械はたくさんあるので、どれもが一番短い道を使おうと集まってネットワークが混雑してしまうことがあるのです。そうなると友達に送ったメッセージが遅れてしまいます。
これを解決するのが「SDN(えす・でぃー・えぬ)」という技術です。
SDNを使うと、ソフトで、この道筋を変えることが簡単にできます。すると、もし「A」という道筋が混雑していることがわかったら、「B」という道筋に変える、というふうに道を選ぶことができるのです。
このようにSDNを使うことで、今よりより便利にネットワークを使えるようになるのです。SDNでは機械の仕組みも簡単にできるので、機械の値段を安くできるともいわれています。
この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2017年2月28日掲載