常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。ジョーシスでは数々のIT用語を三段階で説明します。
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
「エッジコンピューティング」とは、「エッジ」つまり「末端」に存在するコンピューターのことを指す。
設備や組織でインターネットに接続するネットワークの「末端」や、通信回線が本線と分かれる分岐点などに設置されるため、こう呼ばれている。
これまで、エッジに存在するコンピューターの役割は、CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)など、大量のコンテンツを配信するためのサーバーとして使われることが多かった。しかし、最近ではIoT(モノのインターネット)の普及に伴い、これまでと逆でデータの収集で使われるようになってきている。
IoTでは、ビックデータ分析を行うために、機器などから集められた大量のデータをクラウド上のサーバーに送る必要がある。しかし、そのデータはあまりにも膨大なため、送る時間や分析に時間がかかるようになることが予想されている。
そこで、エッジコンピューティングで、機器に近いローカル側である程度のデータ処理を行い、クラウドに送るデータ量を減らして、クラウドのサーバー負荷分散を実現することで、ユーザーが即時にデータを活用する環境作りができると考えられている。
「エッジコンピューティング」とは「末端のコンピューター」という意味です。
こう聞くと、社長はパソコンを連想するかもしれませんね。
でも、実はエッジコンピューティングでのコンピューターはパソコンではありません。インターネットの接続などに使われるサーバーのことを指しているのです。
2010年頃から、高速インターネットの普及で、ネット使ってデータなどを処理する「クラウド・コンピューティング(クラウド)」の時代が到来しました。このクラウド・コンピューティングでは、すべての処理がクラウドのサーバーで行われます。
このクラウドは最近ではIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)などのデータ処理にも利用されています。
しかし、それらのデータ量は膨大で、処理のスピードも求められています。そのため、これまでのクラウドのサーバーにすべて送って処理するやり方では、通信も処理時間も時間がかかり、リアルタイムでの利用が難しくなってしまっているのです。
そこで考え出されたのが「エッジコンピューティング」です。
これは、社内にある外部ネットワークなどと接続している複数のサーバーでデータをある程度の処理をしてからクラウドのサーバーに送るという方法です。これだとクラウドのサーバーの負荷が軽減され、処理も早くなります。今、注目されている技術なのです。
みなさんは「IoT(あい・おー・てぃー)」や「モノのインターネット」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、家にある電化製品や、工場にある機械などをインターネットにつなげる技術のことをいいます。
そして、IoTは「機器をインターネットにつなげる」というだけではありません。実は、機器からデータを集めて、詳しく調べることで新しい発見をすることが一番の目的なのです。
集めるデータは、テレビなら「どんな番組が見られているか」、電気メーターなら「どれくらいの電気が家で使われているか」、工場の機械なら、「どれぐらいの製品を作ったか」といったことです。このデータをインターネットを通して、調べて分析するためのコンピューターに送るのです。
IoTを使ってインターネットにつながる機器(「IoT機器」といいます)の数は、2020年には全世界で530億個(世界の人口の約7倍)になると考えられています。これだけの機器が一斉にインターネットで、とてもたくさんのデータを送り始めたらインターネットがパンクしてしまうかもしれません。
そこで、家や会社の中などで、IoT機器の近くにコンピューターを置いて、そのコンピューターでデータの処理を行ってしまおうという方法が考えられました。
これを「エッジコンピューティング」といいます。
「エッジコンピューティング」で、必要なデータだけをコンピューターに送れば、分析や処理も速く行うことができます。これから、IoTがどんどん進んでいくと、みなさんの家にもエッジコンピューティングのコンピューターが置かれる日が来るかもしれませんね。
この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2017年2月1日掲載