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「エンジニア400人が働きやすい環境を作り続ける 支えることが天職」
大倉香織さん

サイバーエージェント 技術本部Advanced Dev.Center マネージャー 大倉香織さん

今回の情シス女子は、サイバーエージェントの技術本部 Advanced Dev.Centerに所属する大倉香織(おおくら・かおり)さんです。現在はメディアサービスを開発するエンジニアのための開発環境をサポートする情シスとして活躍しています。もともとはインフラエンジニアとして入社した大倉さん。なぜ彼女はエンジニアを支える裏方役に回ったのでしょうか?(取材・文:山際貴子 撮影:ヨシナガトモヒコ ヘアメイク:高橋純子)

<大倉香織さんプロフィール>
サイバーエージェント 技術本部Adancd Dev.Center(ADC)所属。明海大卒。大学業後はシステムインテグレーターの会社に入社。インフラエンジニアとして大規模なネットワーク構築、サーバー構築・運用に携わる。2006年サイバーエージェント入社。インフラエンジニアとしてAmebaサービスのネットワーク、インフラ業務の全般を担当する。2012年にADC新設に伴い異動。現在はメディア事業に携わる社内エンジニアを支援するツールの導入推進を通じて働きやすい環境を作ることに取り組んでいる。

インフラエンジニアからサポートに転身

――大倉さんの仕事について教えてください。

当社のメディア事業が手がけるサービスに関連して、在籍する約400人のエンジニアをサポートするために、開発環境を中心としたツールの導入を戦略的に推進しています。例えば、ビジネスチャット「Slack(スラック)」を事業部全体に導入してコミュニケーションの改善に取り組みました。

――入社してから、この仕事をずっと担当しているのですか?

以前はインフラエンジニアとして仕事をしていました。私の入社時にはADCという部署はありませんでした。そして、当時は各自が使いたいツールを自由にインストールして使っていました。これは自由を重んじる、この会社のよいところなんですが、一方で、ソースコードがいろいろなツールに分散して格納されていて、何がどこにあるのかが把握できないという問題がありました。

だから、社風を尊重しつつ大切な技術資産を守るために、統一したツールの導入を推進する部署が会社として必要だったんです。そこで、当時の上司がツールを戦略的に導入する部署として新設したのがADCでした。

一方、その時、私は子どもが生まれたこともあって、深夜にトラブルが発生した時などに対応することが難しくなっていました。それを見て、その上司がADCに迎え入れてくれたんです。

――エンジニアとは仕事内容がガラリと変わって大変だったのでは?

確かにそうですが、道のないところに道を作るのが大好きなので、とてもやりがいがあると思っています。

例えば、ADCが設立された当初は、どのサービスにどのツールが使われているのか全く分からない状態でした。そこで私は経理に確認して、支払い履歴から使っているツールを割り出すところから始めて、全てのサービスに粘り強くヒアリングを行い、全体を把握していきました。

また、当社では必要となるツールを導入する時、トップダウンで進めても上手くいかないことも少なくない。なぜなら「なぜこのツールを使うの?もっといいツールがあるのに」とエンジニアから反対意見が出ることが多いからです。

そうならないために、そのツールを選定した理由を、きちんとエンジニアに説明して納得してもらって「このツール、いいよね」という気運を高めてから導入するようにしています。これらは手間がかかる仕事ですが、それでも私にとっては楽しいんです。

ただ、残業を避けるためにこの部署に異動したのに、気が付くと、運営が軌道に乗るまでは毎日夜遅くまで仕事にのめり込んでしまってました(笑)。


ツール導入では使う人とのコミュニケーションが重要

――仕事をしてきた中で、失敗したと思ったことは?

Slackを導入するために、営業職など、ビジネス部門の人とコミュニケーションを取るのが上手くいかなかったことですね。

インフラエンジニアの頃はエンジニアやデザイナーなど、サービスを構築していく上で共通認識を持つ人としか仕事をしていませんでした。しかし、ビジネス部門の人はエンジニアなどと仕事も立場も違います。だから、いつも通りに運用方法を伝えても、正しく伝わらず、相手にストレスを与えてしまったことがありました。

そういうことがあって、コミュニケーションの方法を試行錯誤しました。そして、ある日、簡単な動画を作ってみたんです。するとすんなり伝わりました。エンジニアの感覚だと動画を見るのはわずらわしいことなんですよ。でも、ビジネス部門の人には有効なんだと、この時分かった。このことから、働き方をよくするためには、ツールをただ導入するだけではなく、使う人とのコミュニケーションを工夫することも大切なんだと痛感しました。

――仕事をする上で心がけていることはありますか。

ADCのメンバーには作業の効率化を考えるのではなく「いかに自分が楽をするかを考えるよう」と伝えています。自分が楽をするために、例えば、8時間かかる作業があった場合、それを5時間、さらに3時間に短縮するためにはどうすればよいのかを考えることが結果的に生産性を高めると思っています。

それから、私はもともとビビリなんです(笑)。インフラエンジニアの頃は設定を変更して実行する時に「設定したらどこにどんな影響があるか」「悪い結果になった時にどのように復旧するか」などをイメージしてから実行するようにしていました。その習慣は今でもあって、無意識にこうしたシミュレーションをしています。


オフはビーチリゾートでのひとときが最大の楽しみ

――オフはどんな過ごし方をしていますか。

一番の楽しみは、年に1、2回家族でビーチリゾートに行って海辺にあるデッキチェアでのんびりすることです。そのために毎日仕事をがんばっているといってもいいくらい(笑)。

これまで、グアムやハワイなど、日本から直行便が出ているリゾート地はほぼ制覇しました。今、子どもが小学校一年生でトランジットが必要な長旅はムリですが、もっと大きくなったら一緒にメキシコに飛行機で行きたいと思っています。


リゾートのデッキチェアでのんびりすることが一番の息抜きになっているという大倉さん

――ゾンビ映画も好きだそうですね。

昔、「バタリアン」というゾンビ映画があって、それを観て以来ゾンビ映画のファンになりました。ゾンビ映画ってちょこちょこ笑いの要素が入るのが楽しいんです。ゾンビがエスカレーターから転げ落ちるとか(笑)。

あと、ゾンビ映画には「最初にゾンビを撃った人が最初にゾンビに噛まれる」「車で逃げようとすると後部座席にゾンビがいる」などなど、特有の「あるある」が一杯あります。この予定調和的な展開が、私は大好きなんです。


今の部署を持続させて、働きやすい環境を作っていきたい

――今後のキャリアについてはどう考えていますか。

特に考えてはいないんです。今のマネージャーというポジションも「やりたい」と後輩が手を挙げたらいつでも役割を交換してもいいと思っています。生涯、いちエンジニアでいることにも魅力を感じますが、専門性を究極まで高めるよりも、社内の才能あるエンジニアたちをサポートする仕事が自分には向いているのではないかと感じています。


マネージャーとして、業務効率化を目指し「いかに自分が楽をするかを考えよう」と部員に伝えている

――これから取り組んでいきたいことは?

究極の目標はワンクリックで業務に必要な環境を全て用意できる仕組みを作ることです。例えば、開発環境のセットアップは、属人化している部分が多いこともあって、すごく時間がかかるんです。

だから、時間がかかる定型業務を全て自動化して、より働きやすい環境を作っていきたいと思っています。今はその第一歩として、クラウド環境にサービスをリリースする一連の流れを自動化することに力を入れています。

また、ADCという組織は、会社がサービスの品質を高め、技術的に発展することをサポートするために必要で、サステナブル(持続可能)でなければいけないと考えています。そのためにも、これからもツールなどで新しい技術を追求して、よりよい働きやすい環境を作っていきたいと思っています。


最後に今後の目標について書いてもらいました!


<インタビューを終えて>
インタビューからは、真摯な仕事ぶりが感じられた大倉さん。「周囲が進んで協力してくれるので仕事がやりやすいんです」といいます。実際、社内ではさまざまな職種の人から信頼されているそうです。それも大倉さんの仕事ぶりが周囲の人の評価を勝ち取ったからこそといえるでしょう。これからも働く人を支えるための取り組みにまい進していってください!


サイバーエージェント

https://www.cyberagent.co.jp/

事業内容:メディア、インターネット広告、ゲーム、投資育成事業

本社:東京都渋谷区道玄坂1-12-1

設立:1998年3月

従業員数:約4000人

売上高:3106億円(2016年9月期・連結)


この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2017年5月26日掲載

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