使える! 情シス三段用語辞典17
「シンギュラリティ」


常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなると更に難しくなります。ジョーシスでは数々のIT用語を三段階で説明します。


一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明


取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?

一段目 ITの知識がある人向け 「シンギュラリティ」の意味

「シンギュラリティ」とは、テクノロジーの加速度的な進化、中でも人工知能(AI)の急速な発達で、人間の予測や想像を超えるほど社会が変容してしまう時期が来るという未来予測を指す。


この概念はヴァーナー・ヴィンジとレイ・カーツワイルにより提示された。これまでの考え方がまったく適用できなくなる時期で、それは2045年ごろではないかと予測されている。「2045年問題」とも呼ばれている。


その時期は、最近、米グーグルの人工知能による「アルファ碁」が人間のトップクラスの棋士に勝利したこともあって、2045年よりもっと早くに来るのではないかという声も上がり始めている。

二段目 ITが苦手な経営者向け

「シンギュラリティ」という言葉が注目されています。人工知能の急速な発達で、人間の能力より人工知能の方が勝る時期が来るかもしれない。シンギュラリティは、その「人工知能の能力が人間を追い越してしまう時期」のことだと考えてよいでしょう。


これは、SF映画で見たような、人工知能に仕事を奪われ、命令され、人工知能同士が勝手に戦争を始めるようなストーリーが、ただの空想ではなくなってきたということかもしれません。


具体的な例としては、米グーグルの人工知能「アルファ碁」がチェス、将棋に続いて囲碁のトップクラス棋士に勝利したことがあります。「人工知能は、囲碁では当分の間、人間には追いつけない」といわれていたのにもかかわらず、アルファ碁が人間に勝ってしまいました。


アルファ碁が強いポイントの1つは「ディープラーニング」という人工知能の学習方法にあります。これは人間が人工知能にひとつひとつ教えるのではなくて、過去の対局を記した膨大な「棋譜」を読み込んで、人工知能が自分で学習していくことをいいます。


コンピューターは人間とは違い、休憩が不要で、学習するスピードも人間よりはるかに速い。アルファ碁は、これまでの主要な棋譜を頭に入れて対局に臨んできたわけです。


シンギュラリティが訪れ、その時、人工知能が社会の運営に大きく関わるようになっていると、人間の想像もしなかったような状態に社会を変える可能性があります。それが、人間にとって大変なマイナスになるかもしれない。そのため、今後は人工知能と、どのような共存の仕方を考えるべきかという議論も盛んになっています。

三段目 小学生向け

みなさんは毎日学校でいろいろなことを習いますよね。


例えば、計算したり、文章を書いたり。真面目に勉強すれば、だんだん賢くなって、いろいろなことが分かるようになってきます。そうなると、「こんな時はどうすればいいのかな?」と自分で判断できるようになります。


今、世の中には「人工知能」というものがあります。これは「人間の脳の働きを行うようなコンピューター」だと思ってください。この人工知能は、今まで人間が勉強をひとつひとつ教えていました。


ところが、最近になって「ディープラーニング」という方法ができて、人工知能が自分で勝手に勉強できるようになったのです。例えば、資料をたくさん与え、やり方だけ教えると、人工知能はどんなたくさんの資料も、自分で考えて読みこなし、理解して解決方法を探そうとします。そうすると、どうなるのでしょうか?


みなさんがどんなに勉強しても1日に読める教科書や本のページには限りがありますよね。だって、ご飯を食べたり、トイレに行ったり、寝たりしなくてはいけない。


ところが、人工知能は機械なので、寝なくてもよいし、休みもいりません。しかも私たち人類の頭脳とは比べものにならないほど高性能な頭脳なので、はるかに速いスピードで勉強ができるんです。そして、たくさん勉強したことで、すばやく判断を下せるようになり、人間が解けなかったような問題や課題を解決する可能性があるんです。これはいいことですよね。


しかし、人工知能の能力があまりに高くなって、人間の能力をはるかに超えてしまうと、どうなるでしょう? 実は、何が起こるのか、誰も正確には分かりません。


その「人工知能の能力が人間を超えてしまい、何が起こるか分からなくなる時期のこと」を「シンギュラリティ」というのです。その時期は2045年ごろじゃないかと予想されていて「2045年問題」とも呼ばれています。


2045年、人間より高い能力を持った人工知能が、人間のことをどう扱うのでしょうか? 


もしかすると、みなさんが読んでいるマンガみたいなことが起きるかもしれません。例えば、人間を追い出そうとしたり、排除しようとしたり、勝手なことを始めたりするようなことです。


現実の世界では、近ごろ人工知能が将棋や碁といった難しいゲームでも人間に勝ってしまいました。だから、2045年よりもっと速くその時期が来るという意見もあります。こんなこともあって、今、世界では、どうやって人工知能と共に明るい未来を作っていくのか、いろいろな研究が進められているんですよ。

この記事は株式会社パシフィックネットが運営していたWebメディア「ジョーシス」に 掲載されていた記事を転載したものです。
2016年9月2日掲載